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『家、ついて行ってイイですか?』命を使い切り、最期もキメて逝ったイノマー「余命は俺が決める」

‘生きることを諦めなかったから、みんなから支えられた’

 イノマーが密かに書き記していた闘病日記に、こんな一文があった。

「自殺しようと思ってる人に……オマエの命をオイラに差し出せ!!」

 イノマーが亡くなって約2カ月後、2020年2月1日に江頭はYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」を開設している。初回の動画で江頭はこう宣言した。

「死にたいと思ってるお前ら、コレを見ろ! コレを見たらバカバカしくて死にたくなくなるから!」

 イノマーへの想いがこの言葉に滲んでいると受け取るのは勘繰り過ぎだろうか? “人生最大ライブ”終了後の車中、「今のところの人生、どうですか?」と質問されたイノマーはこう答えている。

「楽しい。楽しかったよ。楽しすぎるのも良くないな(笑)」(イノマー)

 楽しい人生を送っていると、人は余計に死にたくなくなる。生きていたい。でも、人はどうしたっていつか死ぬ。ならば、その時くらいは「楽しかった」と振り返られる人生でありたいと思う。

 今回の地上波放送は、テレ東にとって英断だったと思う。人間の体がリアルに死へ向かう様子にダメージを受けた人もいるだろう。ただ感動するだけのお涙頂戴ドキュメンタリーじゃなかった。賛否あることを覚悟し、放送に踏み切ったはずだ。撮る方も撮らせる方も大変な密着取材だったと思う。

 この映像から受け取ったものは多すぎる。年明けから生きることの意味を強烈に問われた。人生に影響を与えられた人も多かったのではないか。生きることを諦めなかったからこそ、イノマーはみんなから支えられた。

 昨年4月、フジテレビで放送された志村けん追悼特番で、高木ブーは、「志村は死なないの。ずっと生きている」と言った。だから、イノマーも死んでいない。人の心に残るとはそういうことだ。まさに、「余命は俺が決める」の宣言通りである。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/01/13 21:36
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