『徹子の部屋』とゆりやんレトリィバァとテレビの予定調和と
#テレビ #タモリ #黒柳徹子 #徹子の部屋 #ゆりやんレトリィバァ #テレビ日記 #鶴瓶
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月3~9日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
黒柳徹子「今日、何か芸おやりになりました?」
著名人の生老病死を記録するトーク番組。そんな側面が『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にはある。
トークの内容は、幼少期や青春期の思い出、仕事への姿勢や子育て中の奮闘などだけではない。自身の病気や家族の介護、看取りなど、シビアな話も含めゲストの人生が聞き取られる。老年のゲストの若かりし日の映像が振り返られ、訃報があれば追悼放送に差し替えられる。ゲストが病気などで肉体的に弱っている様子や、何かしらの理由で精神的にまいっている様子も、疑似生放送の形式でそのままお送りされる。
一方で、“死”といっても、“芸人としての死”が注目される番組でもある。ゲストとして訪れた芸人のネタに簡単には笑わず、場合によっては、本人にはその気がないにせよ冷たくあしらっているようにも見える黒柳。そんな黒柳の姿が、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「徹子の部屋芸人」が放送されたころから“芸人殺し”などと広く話題になり、楽しまれ始めた。
で、“芸人殺し”な黒柳を楽しむそんな見方は、やはり『アメトーーク!』の企画以降、『徹子の部屋』サイドからも推奨されてきたように見える。芸人をゲストに迎えた回では、ネタをやる前に黒柳が「私は本当に面白くないと笑いませんから」などと宣言していたりもする。
そんな『徹子の部屋』の8日のゲストはゆりやんレトリィバァ。番組開始早々、黒柳はジャブを放つ。
「今日ちょっと申し上げておきますけどね、私ね、あなたがお笑いの何かをおっしゃったときにね、気が付かないときがあるんですよ。そのときにね、申し訳ないので、あなたがこれから何かを言うぞっていうときはね、ちょっと合図していただける? そしたら私、気をつけて聞いていますので」
その後、ゆりやんが「昭和の映画に出てきそうな女優の喋り方のマネ」という持ちネタを見せると、「そんな感じしました」とコメント。泣く素振りから変顔をする例の顔芸を見せると、「今のところがアレなの? ちょっと笑わせるとこなの?」と質問。エンディングではこう総括した。
「今日、何か芸おやりになりました? 私、気が付かなかったんだけど」
さすがである。番組内では黒柳自身が「何か見せていただけます?」などとネタを振る場面もあってのこのひと言。ゆりやんは“芸人としての死”を迎えることになった。
が、どうなんだろう。面白いことは確かなのだけれど、番組側から積極的に「うちの黒柳は簡単に笑いませんから」と楽しみ方を指定されている感じ。先回りして番組の見方を用意されている感じ。予定調和ではないと前もって宣言された予定調和ではない映像は、果たして本当に予定調和ではないのか。
芸人がゲストだった回の『徹子の部屋』を見た後は、最近はなんだか思い出し笑いをしながら少し考え込んでしまう。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事