『世界SF作家会議』人類は「チーズケーキ」で滅亡する? SF作家ならではの振り切った主張「愛は地球を救わない」
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‘地球滅亡の日はみんなでご飯を食べたい’
この番組はYouTubeチャンネル「8.8チャンネル」でオリジナル版が配信されており、そちらでは地上波未放送の部分も見ることができる。実はもう1つ、「地球滅亡の日に食べるなら、ご飯か麺か?」というテーマでも議論が展開されていたのだ。つまりこれ、『「人類の滅亡」を人はどのように迎えるか?』を問う設問だ。ここで取り上げたいのは、短編集『わたしたちが光の速さで進めないなら』が韓国でベストセラーになった女性SF作家、キム・チョヨプの意見。
「私は、本来なら麺の方が好きです。でも地球最後の日には、好きな人や、家族と一緒に食事をするべきかなって思うんですよね。麺類には、どこか少し個人的な感じがしませんか? 私はやはりご飯を食べると思います。韓国の家庭料理のようにご飯といっしょに作った料理を分けて食べるでしょう」(キム)
次に取り上げたいのは、新井の意見だ。
「どうせなら、ご近所とかその辺の公園でみんなで炊き出し。ご飯もおにぎりにしてバーッて持ってく。家でおにぎり30個くらい作って、広場とか公園とかで『みんなでご飯食べよー!』っていいじゃん。麺類だとそれやるとのびちゃうから」(新井)
2人とも「みんなで食べる」という前提で想像をしている。「米より小麦粉が残る可能性が大きいから麺」(藤井)、「一番いいワインを酒屋へもらいに行く」(劉)、「インフラの人も最後を迎えているから電気が通っているかはわからない」(小川)と語る男性陣と、“誰と食べるか”を考える女性陣で見事に分かれていたのが面白い。
今回の会議は小松左京の言葉の引用で終了した。「SFとは思考実験である」「SFとはホラ話である」「SFとは哲学である」「SFとはフィールドノートである」「SFとは希望である」。
第2回は第1回より作家陣がのびのびしており、発言もかなりくだけたものになった印象。でも、もっと意外性や突飛な意見が欲しい。発言内容がまだ振り切っていない。SF作家の立場から無邪気なことを話してほしいのだ。第3回も開催予定とのことで、次回も期待したい。
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