『世界SF作家会議』人類は「チーズケーキ」で滅亡する? SF作家ならではの振り切った主張「愛は地球を救わない」
#テレビ #SF #世界SF作家会議 #新井素子 #藤井太洋 #小川哲 #高山羽根子 #いとうせいこう
‘愛は地球を救わない’
今回のテーマで藤井と高山は同じ回答だった。2人が提示したのは「人類は愛で滅亡する」である。しかし、「愛」の捉え方が両者では異なるようだ。高山は愛を「人類のバグ」と定義した。
「宗教とか愛とか正義によって進んでしまった行進、例えば戦争だったりが昔はいっぱいあって。上の人たちが『愛社精神』や『愛国』とかで人間が持ってる脆弱性を利用していたけど、受け取る側一人一人がそれを少し疑っていいのかなと思ったりします」(高山)
確かに、愛で考え方に偏りが生まれることはよくある。それが、つまり人間の脆弱性で「人類は愛で滅亡する」という答えにつながった。一方、藤井の「愛」の捉え方は高山と違う。
「人間は所詮サルと変わっていないという前提で、愛っていうのはそれを象徴するものなんですね。『温かい』とか『気持ちいい』とか『子どもが好き』とか、動物として持っていた枠組み。人間はその動物性で問題に対処できなくなるときが来るんじゃないかなという気がしています」
「今、世界を動かしている大きな力(社会システム)というのは、私たちの肉体的な感覚とはすでに乖離しているわけですね。この乖離がついていけなくなったときに非常に大きな問題に直面するという気がしてます。コロナウイルスで親しい人が亡くなって辛いという感情がドラスティックなやり方を止めてしまいますよね。例えば、亡くなった方に会いたいということでイタリアで一時期感染が広まってしまったり、日本では忘年会をやりたいから広がったり。割り切れなかったりしますから。人間が動物だからこそ、動物の限界を超えられなくてできないことがたくさんある」(藤井)
『愛は地球を救う』(日本テレビ系)という番組があるが、この会議では4人中2人が「愛は地球を救わない」と言っている。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事