表紙はまるで雪国の「噂の真相」……!? 地元政治家と企業を狙い撃ち! 北海道・東北・北陸の政経雑誌
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明治維新の抑圧が生んだ雪国の権力への抵抗精神
このように北陸や東北、北海道には、他県では見られないエキサイティングな雑誌がいくつもあるが、なぜこのような地域ジャーナリズムが盛んなのか……?この現象について、前出の地元紙記者は次のように語る。
「風土的に地方は都会よりも職業、地域、学校など各種コミュニティの関係が強固なため、何かしらの不正を目撃したり、不当な扱いを受けても、内部告発したりするのが難しい環境です。そのため、こうした雑誌は地方特有のしがらみを突破し、最後に告発者が駆け込む存在だともいえるでしょう。ほかに代替できない媒体でもあり、そういったことが昨今の雑誌不況の中でも、一定以上の購読者を獲得し続けている理由だとも思います」
また、板倉氏は郷土史的な流れなのかと推測する。
「福島県に関していえば、明治維新で政府から派遣された知事に抑圧されたことで、自由民権運動の発端となってきたという歴史も関係しているのだと思います。県民性は穏やかですが、抑圧と抵抗の歴史的な流れが、こうした媒体を成り立たせる素地になったのでしょう」
他方で、畠山氏もこうした地方誌の存在意義についてユニークな提言をする。
「みんなが関心を持たず、やりたい放題になっているところにちゃんと釘を刺す、という役割をこれらの雑誌は持っていることから、今後もなくならないでほしいです。何よりその地域でしか販売されていないものですから、お土産や観光ガイドとしても活用するのはどうでしょうか(笑)」
冒頭でも触れたように、これらローカル政経雑誌は、全国紙が後追いするようなスクープを出すこともある。「週刊文春」(文藝春秋)の「文春砲」が広範囲に影響を与える大砲ならば、これらの雑誌は大砲がカバーしきれない部分をピンポイントで狙う、「狙撃手」のような役割を担っているのだ。
(文/ゼロ次郎)
※「月刊サイゾー」9月号より一部転載。全文は「サイゾーpremium」でお読みいただけます。
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