『えんとつ町のプペル』は、ビジネス書をそのままアニメ化した信者ホイホイ!? 信者vsアンチのレビュー合戦も
#アニメ #キングコング #西野亮廣
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣が総指揮・脚本・原作者を手掛けた映画『えんとつ町のプペル』が12月25日に全国公開された。
あらすじをざっくり説明すると、子供ながら、大人に混じってえんとつ掃除を生業とするルビッチが、突然現れたゴミだらけの怪人と出会い、彼をプペルと名付ける。ふたりは、空が煙で覆われたえんとつ町で友だちとなるが……というもの。
クローズドなファンビジネス的手法で上昇志向の高い熱心な支持者を集め、現在、7万人以上の会員数を誇るオンラインサロンを運営する西野。一部では映画が終わった時に“スタオベ”まで起きているともいわれているが……本作について映画レビューサイトの評価は、強烈に賛否が分かれている。
今回は信者vsアンチの様相を呈しつつある本作について、アニメ制作関係者A氏とメディア関係者B氏に、語り合ってもらった。
説明は過多なのに、大事な部分のいろんな説明が足りない
――たった今、都内某所の映画館で『えんとつ町のプペル』を観てもらったんですが、率直にいかがでしたか?
A氏:う~ん、国内屈指のアニメスタジオであるSTUDIO4℃の無駄遣いでしたね。貴重なリソースはもっと大切にしないと。
まず、あらゆる状況や人物の感情を、隅から隅までセリフで説明していて、びっくりしました。もはやラジオドラマですよ。画面を見てなくても、おおよその話がわかる(笑)。
B氏:私が途中で意識が飛びそうになったのはそのせいだったかもしれないですね……。何回も同じような説明がくどくどと登場するから「え?また?」「知ってる」って感じでどんどん集中力が失われていきました。
A氏:日本ではアニメやマンガや実写ドラマで「説明過多の物語」がはびこった結果なのか、若い人を中心に「説明されていないこと=存在していないこと」と断定してしまう傾向がありますよね。たとえば感情。登場人物がいちいち「俺はいま悲しい」とか口に出すなりモノローグなりで言わないと、感情を推し量れない客や読者が増えた。無言で明らかに悲しそうな仕草をしていても、汲むことができない。そういう客にとって『プペル』は親切ですよ。全部しゃべってくれるから。
B氏:そうですね、すごく良く言えば“とても親切なつくり”の作品でしたね。
A氏:そうなんですよ。常に「これまでのおはなし」みたいな感じで、同じことを何度も親切に説明してくれるから、観客側に記憶力というものがいらない。つまりケータイを見ながらの鑑賞でも支障がない。目の前で今起こっていることを、脊髄反射的に確認し続ければそれで話が追える。そんな映画です。
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