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日米関係がさらに混迷…米駐日大使が長期空席、赴任は夏以降か?

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写真/GettyImagesより

 2020年11月の米大統領選とともに行われた上院選に出馬するため、ウィリアム・ハガティ米駐日大使が、19年7月22日に離日して以降、駐日大使ポストは空席が続いている。一年半近くになる空席期間は、戦後最長だ。

 1月20日のバイデン新政権発足と同時に新しい駐日大使選びも着手されるのかと思いきや、「徹底抗戦する構えを崩さないトランプ大統領派の処理とコロナ禍でダメージを受けた米国内の立て直しが最優先課題。今でも駐日大使人事の優先度は低い」(バイデン政権移行チーム・スタッフ)のが現状だ。

 実際、ハガティ大使の離任以来、キャリア外交官のジョセフ・ヤング氏が臨時代理大使を務めているが特に支障は出ていない。

 ハガティ大使の後任問題が全く顧みられなかった訳ではなく、トランプ大統領は20年3月13日、保守系シンクタンク「ハドソン研究所」のケネス・ワインスタイン所長の指名を発表した。安倍前首相ともたびたび会談し、日本政府への強いパイプを持つ同氏は駐日大使に最適任と期待されたが、この人事は同年9月、上院外交委員会では認められたものの、上院本会議では承認されず白紙となった。バイデン次期大統領が新たに駐日大使を指名する見通しだが、まだ具体的な名前は上がっていない。

トランプ政権下で増えた政治任用の大使ポスト

 米国の大使ポストは約7割がキャリア外交官で、残る3割程度が時の大統領が任命する「政治任用」とするのが慣例となっている。どのような選ばれ方をするにしても、大使ポストはすべて上院による承認が必要である。

 トランプ大統領は16年の大統領選で、自らの当選に貢献した人物を大使ポストに起用する論功行賞を露骨に行い、政治任用による大使任命率が大幅に上がった。20年5月30日付の英紙ガーディアンのウェブ記事によれば、トランプ氏が指名した米国大使のうち約44%が政治任用で、過去の平均約30%と比べても高い数字となった。

 前大使のハガティ氏も16年の米大統領選での貢献が評価され、大使のポストを手にした1人だった。ハガティ氏は20年11月の上院選では郷里のテネシー州から共和党の公認候補として出馬し勝利したことから、駐日大使ポストは候補者の経歴に箔をつけるのに大いに役立ったようだ。

 しかし米駐日大使は、ポストを踏み台にさらに高みを目指す人ではなく、米国の政界で功成り名遂げた人たちが、駐日大使として来日していた時期もあった。

 その筆頭はジミー・カーター大統領に指名され、1977年から88年まで11年の長きにわたり駐日大使を務めたマイケル・マンスフィールド大使である。53年の初当選から77年まで4期24年間、上院議員を務め上げ、その間、61年から77年までの16年間は、多数党である民主党の院内総務を務めた大物中の大物だった。

 その後もキャリア外交官の大使を挟みながら、ウォルター・モンデール元副大統領(民主党)、トーマス・フォーリー元下院議長(同)、ハワード・ベイカー元共和党上院院内総務及びレーガン政権での大統領首席補佐官といった大物大使が続いた。

 政治家としてのキャリアがあったわけではなかったが、オバマ大統領が指名したキャロライン・ケネディ大使も、ケネディ大統領の長女ということで存在感を示した。東京に住む米国人ビジネスマンは「ケネディ大使のおかげで、本来なら日本に来ないような米国の政財界の要人が日本まで、足を延ばしてくれた」と振り返る。

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