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第四次韓流ムーブメント来たる──無双〈NiziU〉の快進撃! K-POPに心酔する10代

BTSはなぜ全米でヒット? K-POPが世界に響く理由

第四次韓流ムーブメント来たる──無双〈NiziU〉の快進撃! K-POPに心酔する10代の画像3
BTS

 日本を含むアジア諸国に限定された00年代のK-POPブームから一転、10年代のそれは世界的なムーブメントだ。その牽引役といえば、全米にK-POPの名を知らしめたBTSだろう。彼らは18年に米ビルボードのアルバム・チャート「ビルボード200」で史上初の1位を獲得。その後も19年にアルバムで首位を2回、20年8月には「HOT100」で韓国アーティスト史上初の1位を記録する。坂本九の「上を向いて歩こう」など、一度きりの首位であれば前例はあるが、こうした継続的なヒットを記録することは、韓国のみならずアジアのアーティストとしても未曾有の快挙だ。では、BTSは、なぜ全米ヒットを成し遂げたのか。アメリカを中心としたポップ・カルチャーに詳しい辰巳JUNK氏は、その背景に10年代のアメリカにおける非英語コンテンツの普及があるという。

「かつては、アメリカでの非英語コンテンツは支持されにくいといわれてきました。しかしテクノロジーの進化に伴い、若者たちはYouTubeやツイッター、Netflixなどのオンライン・プラットフォームを介して外国語のコンテンツに親しむようになっています。ポピュラー・カルチャーの受容環境が大きく変わったことで、10年代後半のアメリカでは、K-POPのほかラテンラップや韓国映画『パラサイト』(19年)、片づけコンサルタントの近藤麻理恵が出演する『KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~』(Netflix/19年)など、英語以外の言語を用いたコンテンツが数多くヒットしました」

 BTSをはじめとするK-POPの場合、巨大なファンダムがヒットを後押ししていると辰巳氏。K-POPアーティストのプロモーションにおいて、YouTube上での独自バラエティ番組や動画サービスでの生配信ライブ、SNSでの活発な発信など無料コンテンツを提供し、ファンに拡散させる手段は定石だ。特に10年代後半からK-POPアーティストのファンダムは世界規模に成長し、オンライン・プラットフォームでの認知度向上に一役買ったという。

「また10年代のアメリカは、政治的な楽曲のブームを経て、ビリー・アイリッシュのような『ファンとカジュアルに接する私服っぽいファッションのスター』が流行した時代です。スーパースター型ではなく、親しみやすく共感性の高いヒーローとして企画されて社会的メッセージも発信したBTSは、米国シーンの時流と合っていたともいえます。加えて、10年代後半はラップが大人気だったため、国外のポップ寄りのグループがトップを獲りやすい環境だったのかもしれません」(同)

 BTSのヒット以降、NCT127やBLACKPINKもビルボードチャートにランクインし、K-POPの知名度はさらに上がり続けている。その人気が一過性のものでないことを証明するのは、著名アーティストとのコラボレーションだ。例えばBTSは18年に「IDOL」のリミックスでアメリカの人気ラッパー、ニッキー・ミナージュを起用。BLACKPINKは20年5月に「Sour Candy」でレディー・ガガのアルバム『Chromatica』に参加しており、先ごろ発売されたアルバム『THE ALBUM』ではセレーナ・ゴメスやカーディ・Bと共演するだけでなく、ソングライトにはアリアナ・グランデが参加している。

 こうしたコラボが実現できるのも、K-POPの音楽的な完成度ゆえだと指摘するのは、国内のメジャーレーベルでK-POPを担当するA氏だ。「正直、日本のアーティストが第一線で活躍する海外アーティストと共演しようとしても、相当なお金を積まない限り実現しませんからね」と苦笑する。

「事実、ダンスミュージックの知識に明るく、耳の肥えた音楽関係者の間では、K-POPの音楽性の高さが日頃から話題になります。アメリカのメインストリームで流行している最先端のサウンドをいち早く採用し、かつそこにスキルフルなダンスが加えられていることが、作品のクオリティにつながるのでしょう」(同)

 K-POPの制作においては、ビルボードチャートに名を連ねる著名プロデューサーや世界で活躍する振付師を起用したり、楽曲を海外アーティストのコライト形式で制作したりすることが日常的に行われている。それを具現化するアーティスト自身も高いスキルを持ち、制作へも積極的に関わるそうだ。

「K-POPの音楽性の高さは、第二次韓流ブームを牽引した少女時代やKARA、BIGBANGの時代から変わりません。彼らの登場以降、かわいい/かっこいいルックスや印象的なダンス、SNS上での情報共有なども相まって、K-POPは一気に若者の流行の中心となった」(同)

 その後、日本市場では一時的に冬の時代を迎えたK-POPだが、現在活躍しているBTSやTWICE、BLACKPINK、ITZY、MAMAMOOなどのファンは、第二次韓流ブームと同様、多くが10代であり、それはミュージックビデオやサブスクリプションサービスの年代別の再生数に顕著に見られるという。

「10代のリスナーでサウンドを深掘りしている人は、決して多いとは思えません。それでもK-POPが視覚、聴覚ともに刺激的に映るのは、サウンドのクオリティあってこそなのだと思います」(同)

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