綾瀬はるか“視聴率女王”陥落も!? 『天国と地獄~サイコな2人~』唯一かつ最大の不安要素
#綾瀬はるか #森下佳子 #天国と地獄~サイコな2人~
女優の綾瀬はるかが主演を務める新ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)が1月17日にスタートする。あの『半沢直樹』と同じ日曜夜9時の放送枠で、『JIN–仁–』(TBS系)や『ごちそうさん』(NHK)など数々のヒット作を世に生み出してきた脚本家・森下佳子が手がけるオリジナル脚本とあって、各方面から期待の声が数多く挙がっている。
綾瀬が『天国と地獄』で演じるのは、努力家で正義感の強い警視庁捜査一課の刑事・望月彩子。手柄を上げようと意気込んで、ある殺人事件の容疑者を追っていたところ、あろうことかその殺人犯と魂が入れ替わってしまう、というストーリーだ。彩子と魂が入れ替わるサイコパスな殺人鬼を演じるのは、俳優の高橋一生。綾瀬とは初共演となる。そのほか彩子の先輩刑事役に北村一輝、彩子の部屋に居候するヒモ男役に柄本佑など、脇を固める俳優陣もなかなか濃いキャストとなっている。
今や国民的女優とも言われる、綾瀬。出演するドラマが次々にヒット、視聴率女王としても知られている。脚本家の森下との付き合いは古く、TBS系列のドラマでは2004年の『世界の中心で、愛を叫ぶ』から始まり、『JIN-仁–』や『義母と娘のブルース』など、綾瀬を起用し大ヒットとなった作品は数多く、そんな二人がタッグを組むのは本作で7作目となる。
人気の放送枠、視聴率女王の綾瀬 × ヒットメーカー森下の脚本、高橋一生や北村一輝ら魅力的な俳優陣、ヒットの条件が揃っているかのように思える『天国と地獄』。“鉄板ドラマ”と期待が寄せられているが、期待値が高いだけにもしかしたら大コケしてしまうのでは、という一抹の不安を抱いてしまうのだ。
その不安の最大要素が、“人格の入れ違い”というドラマ設定だ。古くは男女が入れ違ってしまう1982年公開の映画『転校生』に始まり、2016年公開の大ヒット映画『君の名は。』なども記憶に新しい。テレビの連続ドラマでも、人格が入れ違う設定のものは度々放送され、男女間だけでなく、親子や、夫の不倫疑惑相手と入れ替わり、などなど数多い。
言ってしまえば、よくある設定なのだが、気になるのは最近放送されたドラマでは入れ替わり系のものが不調である点だ。2007年放送の『パパと娘の7日間』(TBS系)は平均視聴率13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好調であったが、2010年代では2013年『夫のカノジョ』(TBS系)は視聴率3.0%と連ドラ史上最低記録を叩き出して打ち切り。その後も2014年『さよなら私』(NHK)や2015年『民王』(テレビ朝日系)など評価は決して悪くないのだが、視聴率は振るわなかった印象だ。
人格が入れ替わるという非現実的なドラマの設定は、もはや使い古されて新鮮味がなくなり、視聴者に飽きられているのかもしれない。最近のドラマでは2020年の『私の家政婦ナギサさん』(TBS系)や2016年『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)など、手の届く範囲の現実的な生活の中に胸キュン要素があったり、問題提起があるような作品が人々の心を捉えているように感じる。
このコロナ禍、不安定な生活を送り、誰もが不安を抱えている。安定している時には刺激的なドラマが求められるが、大きな社会不安があるなかで求められているのは、より身近な安定した日常なのかもしれない。
とはいえ、国民的女優・綾瀬の新ドラマだ。綾瀬含め豪華キャスト陣の実力は言うまでもない。こんな状況だからこそ、非現実的で笑える世界が求められる、ということも十分にあり得る。さらに脚本家の森下はディティールにこだわり入念なリサーチを怠らないという。非現実でありえない設定であっても、リアリティに裏打ちされた新しい物語が私たちの心を動かしてくれるかもしれない。まずは今夜、初回の放送で綾瀬がどのような新境地を見せてくれるのか、期待は高まる。
■番組情報 日曜ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』
TBS系/毎週日曜日21時~
出演: 綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹ほか
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木 彩
プロデュース:中島啓介音楽:髙見 優
主題歌:手嶌葵「ただいま」(ビクターエンタテインメント)
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tengokutojigoku_tbs/
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