大学半期分を2日間で学べる! アートのリテラシーを高める「ホワイトルーム」来年1月開講!
あいちトリエンナーレでの企画展「表現の不自由展・その後」をめぐる騒動を覚えているだろうか?
もう昨年(2019年)のこととなるが、「慰安婦問題」や「天皇」など、さまざまな「タブー」を扱い”展示が拒否された作品”を展示不許可の理由とともに展示する、という企画展だったものの、その企画意図と反し、皮肉なことに、展示自体の賛否を問う政治的なイシューに飲み込まれ、結果的に中止となってしまった騒動だ。
企画自体の中止後も、「政治的な問題をはらむ作品を展示すべきだったか/すべきではなかったか」といった2択でのアンケート結果を発表することに終始するようなメディアが多く、はたして問題の本質に迫っていたかどうかは疑問が残る。
なぜならば、そもそも「アート作品をどのように見ればいいのか」という基本的なことが確立されていないからだ。
学校で使用されている「美術(アート)」の教科書は、日本と欧米では大きく違っている。日本の「美術」の教科書は厚さが薄い。そしてなによりアートは自由に見ることが大事だと書いてある。
一方、欧米の「アート」の教科書は分厚い。それは「アート」=「美術史」だからだ。現代美術の最前線の作品の背後にはラスコー洞窟の絵からはじまるギリシア・ローマ、キリスト教、ルネッサンス、印象派などなど膨大なヒストリーとコンテクストがあり、それをどれだけ感受できるのかが重要で、それこそが教養の基準とされている。
それは日本の教科書では学べない。美術史を知らないから、いつまでたってもリテラシーが確立せずに、あいちトリエンナーレ問題などさまざまな事件が起こってしまうのだ。
初回講義は「西洋美術全史」
ホワイトルームでは、アートのリテラシーを確立するため、最前線にいるトップクラスの研究者によって、大学半期分の授業を2日間の集中講義で行います。
初回は千葉大学・神野真吾さんによる「西洋美術全史」。1/23(土)、24(日)の集中講義です。
「西洋の美術は、現代に生きる私たちの「美術についての見方」に強い影響を与えています。しかし、それは永遠不変のものではなく、時代と共に形成され、今もなおそれは変化し続けています。
本講義を通じて、西洋において美術という制度が確立した過程を、その時代背景や思想を踏まえつつ学んでいきます。特にそれが強固な制度として確立した近代に焦点を当て、現代までその影響がどのように引き継がれ、あるいは乗り越えられたのかを見ていくことになります。
美術作品を見る、美術の歴史を知るということは、単なる「良き教養・趣味」に留まらず、感性的に時代や思想を理解することでもあります。そしてまた、現代の美術をめぐる様々な問題も、そのように見ることができるなら違って見えてくるはずです。」(シラバスより抜粋)
限定30名で申込み順で締め切ります。詳細、お申込みはこちら。
https://cyzo.co.jp/whiteroom_jinno_01
WHITE ROOMとは
今や日本を代表する場所である渋谷スクランブル交差点。そこを見下ろすようにある井の頭線ホームに向かうブリッジには岡本太郎「明日の神話」があり、夜、ブリッジからスクランブル交差点を見下ろすと、ガラス越しに「明日の神話」とスクランブル交差点を行き交う人や車が重なって見える。その情景は、311からコロナ禍に至る災間という時代を象徴するように、まるでそこがゴッサムシティの一角であり、渋谷駅前という谷に、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーのように踊りながら落ちてくる人々が行きかっているように見える……。
スクランブル交差点から109を斜めに見て道玄坂を登りきったところにホワイトルームはあります。まっしろに塗りたくられた部屋には、4Kのプロジェクターが備え付けられており、そこでは世界の最前線のアート画像が珠玉の解説とともに見ることができます。
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