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日刊サイゾー トップ  > 木下恵介『二十四の瞳』で学ぶ、困難を生き抜く術
宮下かな子と観るキネマのスタアたち第3話

木下恵介の名作『二十四の瞳』で困難を生き抜く術を学ぶ…新型コロナという社会変化をどう乗り換えるか?

戦争シーンを描かかず、辛い時代を表現する木下監督の表現に感動

 この作品、反戦映画ではありますが、戦争という環境で変わりゆく人々の姿が描かれていて、戦争自体を描いているシーンは一切ないんですよね。直接的ではない表現で、戦争への憤りや悲しみの声が聞こえてきます。大きく変動した時代に飲み込まれるいち個人・大石先生が中心ともなり、そこで交わった人々を描く構図となっているんです。

 この静かで、でも力強い木下監督の表現方法を、私はとても美しいと思います。

 第1回目の『麦秋』の記事で、小津安二郎監督の「泥中の蓮を描きたい」というお話を参考にさせていただきましたが、私はやっぱり、泥中を描かない、見せない手法に美しさを感じるのです。

 朝方、この作品を観終えてベランダに出たら、とても綺麗な朝焼けで。子供たちの歌声が脳裏に響き渡りました。子供たちが歌うシーンが多くあるのですが、この変えられない時代の中でも強く生きようとする、希望の光のように感じられるんです。

 大石先生も子供たちも、同じ空を見ていたんだなと思うと、今、自分がこうして平和に朝を迎えられることに幸せを感じて、すごく胸がいっぱいになりました。

 観賞後、とても温かな気持ちになる美しい映画です。負の状況下で、当時の日本人はどのような心で生き抜いたのか。今を生きるヒントに、大石先生と子供たちの真っすぐな瞳を是非ご覧ください!

 

 

宮下かな子(俳優)

1995年7月14日、福島県生まれ。舞台『転校生』オーディションで抜擢され、その後も映画『ブレイブ -群青戦記-』(東宝)やドラマ『最愛』(TBS)、日本民放連盟賞ドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)などに出演。現在「SOMPOケア」、「ソニー銀行」、「雪印メグミルク プルーンFe」、「コーエーテクモゲームス 三國志 覇道 」のCMに出演中。趣味は読書、イラストを描くこと。Twitter〈@miyashitakanako〉Instagram〈miya_kanako〉

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【アミューズWEBサイト公式プロフィール】

みやしたかなこ

最終更新:2023/02/22 11:41
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