宮下かな子と観るキネマのスタアたち第3話
木下恵介の名作『二十四の瞳』で困難を生き抜く術を学ぶ…新型コロナという社会変化をどう乗り換えるか?
2020/12/28 18:00
#映画 #女優 #Netflix #キネマ旬報 #宮下かな子 #プライムビデオ
戦争シーンを描かかず、辛い時代を表現する木下監督の表現に感動
この作品、反戦映画ではありますが、戦争という環境で変わりゆく人々の姿が描かれていて、戦争自体を描いているシーンは一切ないんですよね。直接的ではない表現で、戦争への憤りや悲しみの声が聞こえてきます。大きく変動した時代に飲み込まれるいち個人・大石先生が中心ともなり、そこで交わった人々を描く構図となっているんです。
この静かで、でも力強い木下監督の表現方法を、私はとても美しいと思います。
第1回目の『麦秋』の記事で、小津安二郎監督の「泥中の蓮を描きたい」というお話を参考にさせていただきましたが、私はやっぱり、泥中を描かない、見せない手法に美しさを感じるのです。
朝方、この作品を観終えてベランダに出たら、とても綺麗な朝焼けで。子供たちの歌声が脳裏に響き渡りました。子供たちが歌うシーンが多くあるのですが、この変えられない時代の中でも強く生きようとする、希望の光のように感じられるんです。
大石先生も子供たちも、同じ空を見ていたんだなと思うと、今、自分がこうして平和に朝を迎えられることに幸せを感じて、すごく胸がいっぱいになりました。
観賞後、とても温かな気持ちになる美しい映画です。負の状況下で、当時の日本人はどのような心で生き抜いたのか。今を生きるヒントに、大石先生と子供たちの真っすぐな瞳を是非ご覧ください!
最終更新:2023/02/22 11:41
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
03:20更新
イチオシ記事
現役ヤクザも視聴する78歳の元山口組顧問弁護士・山之内幸夫が「アウトロー系YouTuber」に大転身した驚愕の理由