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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 安倍元首相、「バカじゃないのか!」の真相
週刊誌スクープ大賞

安倍晋三元首相、テレ朝記者に「バカじゃないのか!」の真相

 安倍前首相が東京地検特捜部に事情聴取されていた。これをいち早く報じたのはテレビ朝日だったが、聴取前だったため誤報となってしまった。

 安倍はこの報道に怒り、テレビ朝日の記者に向かって、「バカじゃないのか! あんな誤報を出したらさ、(テレ朝は)局長が責任を取らないとダメじゃないのか」と、凄まじい勢いで迫ったと、文春が報じている。

 実際に聴取されたのは21日だったから、その時点では誤報だっただけだが、安倍が怒り狂ったのは、聴取が迫り相当ピリピリしていたからだろう。

 政治資金規正法の不記載の罪で、公設第一秘書を略式起訴して、安倍は不起訴となるようだが、安倍がこのことを知らなかったはずはない。起訴はされずとも、政治責任は重大であり、議員辞職を求める声は安倍の地元からも聞こえてくる。

 朝日新聞の調べによると、国会で安倍は「桜を見る会」について118回も事実と異なる答弁をしていた。これでは、国会は何のためにあるのかといわれても仕方あるまい。

 少し前までは新年合併号には必ず、「来年はどうなる」という特集を組んだものだった。

有識者という人たちに占ってもらうのだが、私の知る限りでは、これがほとんど当たらない。プロ野球のセ・パの優勝チームでさえ、当てる野球評論家はまずいなかった。あまり当たらないので、今では経済週刊誌ぐらいしかやっていない。

 だが、ニューズウイーク日本版は「ウイズ・コロナ/アフター・トランプの世界を読む」という特集を組んでいる。

 中でも、ピューリッツア賞を受賞した『銃・病原菌・鉄』を書いたジャレド・ダイアモンド・カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授が寄稿して、2021年を予測しているが、一読の価値がある。
 
 少し長いが引用してみよう。

――全ての国が新型コロナの脅威から解放されるまで、どの国も安全ではない。このパンデミック(世界的大流行)はグローバルな問題であり、グローバルな解決策が必要だ。
個人的には、この事実を前向きに捉えている。私たちはほかにも、グローバルな解決策を必要とするグローバルな問題に直面している。

 特に気候変動、世界的な資源の枯渇、そしてグローバル化が多くの国にもたらした格差による社会の不安定化だ。

 どの国も国内でウィルスを撲滅しただけでは新型コロナの脅威から自由になれないのと同じように、どの国も国内で化石燃料への依存度を下げ、温室効果ガスの排出量を減らすだけでは、気候変動の脅威から身を守ることはできない。

 新型コロナと同様、大気中の二酸化炭素も政治的な国境を気にしない。(中略)

 だとすれば、より穏やかな新型コロナの脅威が私たちを行動に駆り立てているのに、なぜ気候変動やその他の地球規模の脅威に対しては腰が重いのか。答えは明らかだ。

 新型コロナが私たちの注意を引くのは、はっきりと目に見える形で犠牲者を素早く(数日から数週間以内に)病気にしたり殺したりするからだ。対照的に気候変動は食糧生産の減少、飢餓、異常気象、熱帯病の温帯地域への蔓延拡大など、間接的な変化を通じて私たちをゆっくりと、はっきりと目に見えない形で滅亡に追い込んでいく。そのため私たちは、気候変動をグローバルな対応が必要なグローバルの脅威としてなかなか認識できなかった。

 だからこそ、個人的には新型コロナで命を落とした親しい友人を悼むと同時に、今回のパンデミックに希望を感じている。

 世界中の人々が世界史上初めて、どの国も独力では克服できない共通の脅威に直面していることを認めざるを得なくなった。

 世界の人々が新型コロナを打ち負かすために否応なく団結することになれば、一つの教訓を学べるかもしれない。気候変動、資源の枯渇、格差と闘うためにも団結する機運が高まる可能性がある。

 そうなれば、新型コロナが最終的に世界の人々を持続可能な未来へと導き、悲劇と同時に救いをもたらすことになる――

 そうなるかどうかは、われわれ一人一人にかかっている。自助・共助・公助などといっている場合ではない。世界中と連帯しなくては解決しない大問題に直面している時、自分の国だけよければいいというのは許されない。

 日本人が一番苦手なことだが。

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