中村倫也の告白シーンはなぜ人の心を鷲掴みにする? 『恋あた』に見る”マイナス要素”の威力
#中村倫也 #森七菜 #この恋あたためますか #火曜ドラマ
なぜ、こんなにも人の心を鷲掴みにできるのだろうか。
俳優の中村倫也が12月15日に放送されたドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)で渾身の告白シーンを演じ、その圧倒的な演技力に胸を撃ち抜かれる視聴者が続出した。
第9話のラストシーン。樹木(森七菜)はクリスマスを過ごすための“お試し期間”として付き合っていた新谷(仲野太賀)に、そろそろ返事が欲しいと言われていた。気が合い、一緒にいて楽しい新谷とのデートを終え、その返事をしようとする樹木。緊張している新谷を愛おしそうに見つめ、「私、クリスマスは……」と今にも、新谷を選ぶというような言葉を口にしそうになったまさにその時――。
息を切らして、浅羽(中村)が二人の前に駆けつける。そして第1話から今まで見せたことのなかった必死な表情で、「君と一緒にいると、イラつくし疲れるし、全然自分のペースで進まないし、趣味も好みも価値観もまったくかみ合わない、だけど楽しい、君がそばにいると」「会社で会ってる時は分からなかった。でもいなくなって初めて気づいた……俺には、君が必要だ」と目に涙を浮かべながら告げたのだった。
今までずっとクールだった浅羽がこれほどまでに、感情をあらわにし樹木に想いをぶつけた、まっすぐなその言葉や話し方、表情、そのすべてが視聴者の心を揺さぶった。新谷と樹木がうまくいくことを願う“新谷派”の視聴者ですら、「これは反則」「こんなの好きにならないわけがない」などと声を上げていた。
『はじ恋』の山下、『凪のお暇』のゴン、それぞれの告白シーンとの共通点
この告白シーンに、過去の中村が出演した2つのドラマの告白を思い出した人も多いのではないだろうか。1つ目は2019年の冬に放送された『初めて恋した日に読む話』で中村が演じた元不良の教師・山下の、ヒロイン春見への告白シーン。もう一つは、2019年の夏に放送された『凪のお暇』で中村が演じた、その中毒性のある優しさと博愛主義で”メンヘラ製造機”と呼ばれたゴンの、ヒロイン凪への告白シーン。
どちらもヒロインに本気で恋し、告白をするが、本命相手に敗れ、振られてしまう役どころだった。山下は「晴見のことが頭から離れない」「晴見のことが好きだ」と真正面から直球で告白、さらに晴見が断ろうとすると「断るな。晴見が嫌がることが絶対にしない。チャンスをくれ」と強引な男らしさを見せ、視聴者の心を捉えていた。
『凪のお暇』ゴンの告白も話題を呼んだ。来るもの拒まず去るもの追わずだったゴンが、凪に「これから凪ちゃんだけに優しくする。凪ちゃんだけのちぎりパンになる。凪ちゃんだけ、好きでいる」と目を潤ませながら真剣にまっすぐに想いを告げた。
なぜ、中村倫也の告白はこうも胸に刺さるのだろうか。ただクールなイケメン役はもちろん似合うのだが、演じる役が真剣であるほど、情けなさや不器用さ、カッコ悪さがあるほど、必死さが滲むほど、中村は輝く。スマートさに欠ける”マイナス要素”を剥き出しにして、ただひたむきに心をまっすぐに届けるのがうまい。だから、胸を打つのだ。
■番組情報
火曜ドラマ『この恋あたためますか』
TBS系/毎週火曜日22時~
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史 ほか
脚本:神森万里江、青塚美穂
演出:岡本伸吾、坪井敏雄、大内舞子
プロデュース:中井芳彦、黎 景怡
音楽:木村秀彬
主題歌:SEKAI NO OWARI 「silent」
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/
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