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元ハードコアパンクスが氷室京介を独自に更新! DEATHROが追求する令和のJ-ROCK

元ハードコアパンクスが氷室京介を独自に更新! DEATHROが追求する令和のJ-ROCKの画像1
DEATHRO(写真/小野由希子)

 ライブハウスのみならず、公園、レストラン、バー、市民会館、うどん屋、ダムなどをスタジアムに変える“神奈川県央No.1ロックボーカリスト”ことDEATHRO(デスロ)。約15年にわたりパンク/ハードコア・シーンで活動したのち、2016年にソロデビューしてから自らのルーツである氷室京介やBOØWY、およびその系譜にあるビートロックやビジュアル系バンドのサウンドを更新してきた。そんな彼が、「DEATHROとしての4年間の集大成(FOUR YEARS AS DEATHRO)」や「親愛なる者たちへの贈り物(FOR DEARS)」といった意味をこじつけて「4D」と冠された“全A面”4曲入りの4thシングルをリリースした。

 それを記念し、DEATHRO本人にインタビューを実施。その音楽的ルーツや創作に対する姿勢、さらには政治・社会との関わり方まで、たっぷりと話を聞いた。

DEATHRO 4thシングル「4D」発売中
ROYAL SHADOW/CD:1100円
ストリーミング:https://musics.link/deathro4d

化石的なテクノロジーで“今”をアウトプット

――DEATHROさんの活動歴をまとめると、2000年末から06年までANGEL O.D.というハードコアバンドに在籍。05年からやはりハードコアバンドのCOSMIC NEUROSEとして活動し、同バンドが15年10月に活動休止した翌日からソロで活動を始め、16年3月にデビューシングル「BE MYSELF」をリリースして現在に至ると。

DEATHRO(以下、D) はい。

――ソロでは一貫してJ-ROCKもしくはビートロックをやっていますが、今それをやる理由は?

D 単に好きだからですね。小学生の頃に姉貴からBOØWYや氷室京介さんを教えてもらったことが原体験としてあって。その8ビートのロックサウンドが、自分で曲を作るにしても一番フィットするんですよ。もはやビートロックって、化石的な手法ですけど。

――化石的な手法。

D メンバーが使う楽器にしても、それこそ90年代のフェルナンデスのギターで録ってもらったりしてますし。それはニューシングル「4D」に入ってる「ILLUSION…追いかけて」のミュージックビデオ(以下、MV)も同じかもしれません。

――KOHEI URAKAMI(Rashōmon/鏡)氏のディレクションのもと、全編8mmビデオテープで撮影されたMVですね。

D KOHEIがSONYの「CCD-TR55」という、平成の始まりに発売されたハンディカムを中古で買って「録画機能が死なないうちに何か撮りたい」と言うので、じゃあMVを任せてみようと。そこで彼から与えられたテーマが「DEATHROがノスタルジーを感じる風景」で。その「CCD-TR55」が発売されたとき僕は5、6歳だったんですけど、当時の体験として強烈に残っているのが、ほぼ毎日、神奈川県愛甲郡愛川町の自宅から、相模原市の北里大学病院に入院していた祖母のお見舞いに行っていたことなんですよ。だから、その道程および周辺の内陸工業団地とかで撮影して。それプラス、ちょうど〈小岩BUSHBASH〉でライブの予定があったので、オーナーの柿沼実氏にダメ元で「終演後にMVの撮影をしたい」と相談したら快諾してくれたんです。

――いいMVですよね。

D 自分としても、ノスタルジックでレトロな映像なんだけど、ちゃんと2020年の作品として成立している気がして。そこはKOHEIの手腕によるところが大きいんですけど、やっぱり化石的なテクノロジーとか発明品を使って“今”をアウトプットするのが自分には合ってるんでしょうね。

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