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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > マヂカルラブリー「M-1」優勝!全漫才を総評

マヂカルラブリーがM-1優勝!「漫才は止まらない」を体現する大会に…全漫才レビュー

決勝の評価も割れた!

 つづいて、ファイナル。1組目は、見取り図となった。

 ファーストラウンドとはうってかわって、大阪らしいしゃべくり漫才。ボケとツッコミが代わるがわる発言していくが、動きを使ったボケなども織り交ぜ飽きが来ない、『これぞ、これまでの見取り図のベストを見た』というような素晴らしい漫才であった。

 2組目はマヂカルラブリー。ボケの野田が電車の吊革に捕まりたくないと言った後、ほとんどしゃべらずはげしい動きで揺れる電車を表現する。その動きに合わせ、そのボケを制するわけでもなくツッコミつづけ、そのあいだ笑いが止まることはなかった。かなり技術の必要な動きボケメインの漫才で、笑いを取り続けた。

 3組目は、おいでやすこが。ハッピーバースデーの歌をオリジナルで歌い続けるこがに対しておいでやす小田が大声でツッコむスタイル。歌ネタではあるが、ファイナルラウンド3組の中では一番シンプルな構成の漫才であった。

 優勝はマヂカルラブリーであったが、見取り図2票、おいでやすこがも2票、マヂカルラブリーが3票と、僅差の採点結果となっていた。

 今年は史上最高と賞された2019年のM-1に並ぶほどの熱戦だったといえるだろう。松本も「過去の中で2組で悩んでいたが、今回は3組で悩んだ。」というように、誰が優勝してもおかしくない高レベルな戦いであった。もちろん、来年、マヂカルラブリーの活躍が期待されるし、優勝できなくても活躍する漫才師は多数いるので、ほかの芸人たちにも注目が集まることは間違いないだろう。今年のM-1のテーマである「漫才は止まらない」。その通りの大会になった。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2020/12/21 09:44
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