菅首相、病院の初診料を引き上げ…受けられる病院でも格差拡大か
#格差社会 #菅義偉 #医療機関
初診料、いくらになる?
さて、新たに初診料の引き上げ対象となるのが、対象病院を地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機関」のうち一般病床200床以上の病院となっている。
ところが、対象病院を地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機関」の具体的な要件は、いまだに明確にはなっていない。政府の全世代型社会保障検討会議では“今後詰める”としている。
つまり、どんな病院を対象にするのかを決める前に、大病院と中小病院・診療所の外来における機能分化を図るために、まず、“初診料の引き上げ”を決めたということだ。特定機能病院と地域医療支援病院以外の病院で病床200床以上は688病院あるが、どのような条件で、どの病院が対象になるのかは不明だ。
では、初診料はどうなるのか。
方針では、「保険給付の範囲から一定額(例:初診の場合、2000円程度)を控除し、それと同額以上の定額負担を追加的に求めるよう仕組みを拡充する」としている。
つまり、金額的には病院が決めることができるが、例として2000円という金額が上がっているので、「多くの病院は2000円に収束するのではないか」(大手一般病院)と見られている。ただし、金額設定は自由なため、5000円とする病院が現れるかもしれない。
大病院と中小病院・診療所の外来における機能分化という名目の下で、患者を選別するために“初診料の引き上げ”という手段を行うことが、本当に最良の方法なのだろうか。医療関係者の中からは、本来は大病院で診察を受けるべき患者を、この制度を理由に個人の開業医が囲い込むような事態が発生しかねないと懸念する声も聴かれる。
「全世代型社会保障改革の方針」では、これからの社会保障のあり方について、「菅義偉内閣が目指す社会像は、『自助・共助・公助』。社会保障制度についても、まずは、国民1人1人が、仕事でも、地域でも、その個性を発揮して活躍できる社会を創っていく」としている。
果たして、この制度改革は菅首相が目指す社会像につながるものなのだろうか。
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