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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.614

“平和憲法”制定の舞台裏を描いた『日本独立』 浅野忠信が白洲次郎、小林薫が吉田茂外相に

マッカーサーの実験場に選ばれた日本

平和憲法制定の舞台裏を描いた『日本独立』 浅野忠信が白洲次郎、小林薫が吉田茂外相にの画像3
GHQとの交渉を務める白洲は「男の戦さは勝ち負けではなく、精いっぱい闘うこと」が口癖だった。

 日本国憲法の草案はGHQがわずか1週間でまとめ上げたと『日本独立』では描かれているが、異論もある。白洲次郎本人の言説によると、マッカーサーは戦時中から日本国の占領政策を練っていたそうだ。フィリピンから撤退し、豪州で捲土重来を期していたマッカーサーは、日本との戦争にどうすれば勝利するかだけでなく、日本をどう統治するかまでブレーンを募って研究していたらしい。焼け野原になったアジアの島国を、かつてない理想的な国家に作り変えよう。米国大統領の座を狙っていたマッカーサーにとって、日本統治は手頃な実験の場でもあった。

 1950年、朝鮮戦争が泥沼化していくさなかにマッカーサーは、トルーマン大統領によって総司令官の職から解任させられる。マッカーサーは米国に帰還することになり、実験の途上だった日本は放置されてしまう。米国の聴聞会に呼び出されたマッカーサーは、日本での統治体験をこう振り返った。

「欧米人が45歳の成熟した大人なら、日本人はまるで12歳の少年だった」

 終戦から75年。日本人は何歳になったのだろうか。それとも、まだ12歳のままなのだろうか。(文=長野辰次)

平和憲法制定の舞台裏を描いた『日本独立』 浅野忠信が白洲次郎、小林薫が吉田茂外相にの画像4

『日本独立』
監督・脚本/伊藤俊也
出演/浅野忠信、宮沢りえ、小林薫、アダム・テンプラー、ロバート・D・ヒースJr.、ベネディクト・セバスチャン、柄本明、渡辺大、松重豊、伊武雅刀、佐野史郎、石橋蓮司、大鶴義丹、青木崇高、浅田美代子、梅宮万紗子、野間口徹、奥田瑛二(語り)
配給/シネメディア 12月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
(c)2020「日本独立」製作委員会
https://nippon-dokuritsu.com

最終更新:2020/12/18 15:00
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