「未来の自分とワリカン」あと払いサービス“Paidy”は支払い能力の低い消費者層への甘い罠か
#キャッシュレス
滞納リスクに関する質問状にPaidyの回答は…
消費者問題に詳しい池本誠司弁護士は「クレジットカード業界全体に、翌月一括払いが大半であったのが、近年は後からリボ払いを推奨している。後からリボ払いは、毎月の支払い負担額が低く見えるため、商品を購入するに際し抵抗感が低くなり、利用しすぎとなるおそれがある」と解説し、Paidyの「3回あと払い」にも同じ危険があるのではないかという見解を示している。
そこで、筆者は直接Paidyに「“持たない”ではなく、与信審査などの関係で“持てない”人でも貴社のサービスを利用できることは、便利な一方、未払い、滞納のリスクも十分に考えられます。この点について、貴社の見解、お考えをうかがえないでしょうか」という質問状を送ったところ、以下のような回答があった。
「実はPaidyをご利用いただいているお客様のほとんどがクレジットカードをお持ちでいらっしゃいます。でも、「使いすぎが怖い」「セキュリティ面が心配」で使っていない、または決済方法を使い分けていらっしゃるという背景があります。
「賢くお金をやりくりする」ツールとしてPaidyを使っていただくために、Paidyではご自身の使った金額をアプリを通じてリアルタイムでご確認いただける仕組みとなっています。また、Paidyの無料アップグレード版・Paidyプラスにはご利用上限金額設定機能があり、お客様ご自身で月々の予算を設定いただき、その範囲内でお買いものをお楽しみいただくことが出来ます。使いすぎ防止の機能として、多くのお客様にご利用いただいています。
なお、Paidyでは購入手続きごとにAIによる審査を行っており、不払い率はクレジットカードと同等程度です」(Paidyの回答より)
果たしてPaidyは、現金至上主義の日本社会において、クレジットカードなしでも誰でも簡単に支払いができる仕組みを構築し、消費者層を拡大した大発明なのか。それとも、甘い顔をして支払い能力の低い消費者層を無理やり市場に取り込んだ“羊の皮をかぶった狼”なのか。コロナ禍で経済的に厳しい状況に立たされている人が増えている今、どうも筆者には後者に思えてならない。
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