『フリースタイルティーチャー』えいたそも汐りんも…ハングリーな女性アイドル育成編はまるで『ガチンコ!』!?
#フリースタイルティーチャー #恋汐りんご
12月9日に放送された『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)を見ると、面白かったのだ。前回からスタートした「女性アイドルラッパー育成編」は、なかなかいいシーズンになりそうな気がする。
アイドルラッパー育成編は番組史上最高のレベルに!
断言できるのは、今回は今までで最もレベルの高いバトルになるだろうということ。人前に立ち、パフォーマンスしてきたアイドルだけに、このクオリティの高さは当然なのかもしれない。
嬉しい誤算が1つだけあった。ラップユニットから出場する“ラップ組”メンバーとアイドル然とした“アイドル組”のメンバーではフリースタイルのレベルに差があると予想していたが、どうしてビートのノリ方は全員が素晴らしかった。前シーズンまではビートに乗ることすらできない者もいたが、それは初心者なら仕方のないこと。そういう意味で、さすが音楽を生業にするパフォーマーたちだ。アイドルの地力を見せつけられた。
各カップルのレッスンを振り返っていこう。まず、えいたそこと成瀬瑛美(でんぱ組.inc) & KEN THE 390ペアから。手始めに、現時点でフリースタイルがどの程度できるか成瀬がケンザの前で披露した。これが凄かったのだ。4分間丸々ノンストップだし、即興で言葉数をトラックに正確に合わせている。リズム感良し、スタミナ十分。でんぱ組.incで鍛えられた驚異のスタミナだ。
「凄い、凄い! 俺が思ってたより全然凄かった。よく笑顔でやりきったなと思って。凄いものを見たなと思いましたよ」(ケンザ)
この優れた素材に、教え上手なケンザの指導が注入される。「マイクは唇にくっつける」「8小節が終わったら休まないとキツいくらいに熱量を上げる」とアドバイスされると、成瀬のラップは格段に迫力を増した。ちょっとした助言でここまで変わるのだ。
ちなみに、成瀬は2021年2月のグループ卒業を発表している。当然、相手はそこを攻めてくるだろう。成瀬からしたら、逆にアンサーを用意しやすいということ。
ケンザ 「逆にチャンスなんじゃないかなみたいな。それ踏んできたら全部地雷だくらいのね」
成瀬 「そうです、そうです。むしろ、『言ってみ!』くらいなんで」
褒め上手のケンザとメンタルの強い成瀬。かなり手強いペアになりそうだ。何しろ、成瀬のフリースタイルを見たケンザは「優勝できそうな気がしてきた」と口にしたのだ。
risano(lyrical school) & サイプレス上野のレッスンは変則バージョン。サ上の友人の洋服屋へ行き、好きなアイテムを手にとって「なぜ、これを選んだのか」をテーマに2人はバトルを行った。
「リハスタに入って音に乗せてやったほうがフリースタイルも上がると思うけど、そんなことやってる奴らはチマチマしてるだけ! 普通に遊んでることをラップにしたほうがいいんで。俺たちのスタイルは『Have Fun』、楽しく」(サ上)
しかも、risano VS サ上のバトルはrisanoが圧倒的勝利を収めてしまった。サ上がガチ負けしたのだ。すでに、risanoはHave Funなラッパーだということ。さすが、結成以来ヒップホップ1本で活動してきたlyrical schoolからの刺客だ。逆に言うと、彼女に対する周囲からの期待値、ハードルはかなり高い。
yukarin(hy4_4yh) & IDのレッスンはかなり実践的だった。意外にもフリースタイルは未経験というyukarinにIDは自らとのセッションを課し、同時にこんなアドバイスを授けている。
「8小節の最後のほうのディスはあんまり拾わないでいいです。っていうのも、7~8小節ってもう自分のターンが来ちゃうじゃないですか。なのに、まだディスを拾おうとしちゃうと絶対そこでモタつくんですね。できれば、1~4小節くらいにアンサーするのが一番簡単」(ID)
これは、勉強になる! IDはティーチャーとして明らかにステップアップしていた。さらに、セッションを見る限りyukarinの地力もかなり高い。
ID 「最先端を追い続けたフロウ
だから 俺に付いてくりゃ間違いない 俺以外に敵はいない」
yukarin 「最先端とか全然思ってない 私は昔の事の方が好き
最先端 追ってる奴って結局ビリになるんだよ 先生知ってる?
それ RHYMESTERのMummy-Dさんが言ってたんだよ
私たちの師匠 宇多丸 Mummy-Dが
そう言ってた 風神 雷神 マジ怪人」
見たところ、スチューデントの中ではyukarinのアンサーが一番しっかりしているようだ。現時点で総合力が最も高いのは彼女かもしれない。
さて、問題はLety(BananaLemon) & DOTAMAペアだ。「今シーズンはラップ経験のあるスチューデントばかり」と安心していたら、Letyだけはフリースタイルにかなり手こずっていたのだ。グループでラップパートの作詞を担当する彼女だが、決められた歌詞のラップとフリースタイルはやはり違う。とは言え、彼女がここまで苦戦するとは思わなかったが……。
そんな彼女に向けて、DOTAMA先生のスパルタ指導が始まった。いきなり竹刀を片手にキャラを発動させたのだ。フリースタイルの途中で言葉が詰まり、「ああ、もうここからなんですよねえ。最後までできない」と弱音を吐くLetyに構わず、竹刀で床を突いてリズム刻み続けプレッシャーを与える。鬼のように詰めまくるのだ。これじゃ、まるで『ガチンコ!』(TBS系)だよ……。
DOTAMA 「今 お前 5小節ぐらい無駄にしたからな
この5小節 乗りたいラッパーがどんだけいると思うんだ
この地上波の番組で お前は生徒に選ばれた
分かるか もう1回言うぞ
さっきお前が無駄にした 5小節
乗りたい女の子ラッパー 何人いたと思うんだ
お前は特別な選ばれた存在 それを理解しろ」
思わず泣き出してしまったLety。DOTAMAの言っていることはあまりに正論で、彼女自身もわかっているだけに悔しい。実は、BananaLemonの途中加入メンバーでもあるLety。だから、手にしたチャンスの重みは痛感している。ただ、彼女の悔し涙は負けん気の表れとも言える。Letyには伸びしろはあるはずだ。
それにしても、いきなり生徒を泣かせるDOTAMAティーチャーは期待通りすぎた。竹刀キャラもすっかり板についたし。見た目は一番普通なこの先生が、実は一番ヤバい。
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