宮下かな子、黒澤明映画『生きる』で自分を見つめ直す… “生きる意味を見つけた人間の瞳の輝き”の演技に脱帽
#映画 #女優 #Netflix #キネマ旬報 #宮下かな子 #プライムビデオ
主人公の死後、あれやこれや言う人達を描く黒澤映画
そしてこの作品、主人公が亡くなった後が描かれているのが面白いところ。渡辺のお通夜で、死の真相を知らない者たちが口々に渡辺を語ります。死者の生前を語るお通夜というシチュエーションを利用して、訪れた人々に渡辺の最期を語らせる構成……本当に見事ですよねぇ。
お通夜には、公園作りに携わった市民の女性たちが、涙しながら参列していて、公園作りにあまり協力的ではなかった市役所の人間は、それを見て居心地悪そうにしているんですよ。市役所の上司たちは、公園作りを彼の功績にさせまいとし、それに合わせて部下連中が首を縦に振っている様子が描かれていて、「お通夜で親族がいる前でいった何をしているの!?」と呆れるほど、自己中心的な損得しか考えられない人間の醜さが垣間見えて腹が立つのですが、それを跳ね返すくらい、生前の渡辺の大きな情熱を、泣きながら参列する市民の女性たちから感じられて、とても清々しいのです。
渡辺が最期に、自分の人生再生を懸けて創り上げた公園には、楽しそうに遊ぶ子供たちの笑い声で溢れていて、きっと彼の人生には大きな意味があったと言えるなぁ、と、温かい気持ちになります。
渡辺は余命宣告を受けたことを機に、自分の人生を見つめ直し、多くの人に影響を与えられた人生を送ることができましたが、そうじゃなかったらきっと、この部下達と同じように、上司に首を縦に振るだけの生き方のままだったわけで。生きているこの時間ってこんなにも尊いのに、それに気付けなかったり、わかってはいても噛み締めながら日々を生きるなんてことは、ちょっと難しいですよね。
だからこそやっぱり、映画や舞台など作品を通して、生きる意味を考えたり、自分の原動力にする時間は大切だなぁと、改めて考えさせられました。
私は職業上、そういうものに触れる機会は多く、私自身が、「誰かの生きる原動力になりたい!」という夢があるので、割と必死に、日々を生きています。
今年、自分の今後について考えるタイミングが何度かあったこともあり、以前よりも、今何をするべきか、何ができるか、考えながら過ごす時間が増えました。もちろん、ダラダラする日だってありますけどね!(笑)
自分と向き合うって、時間がかかるし難しいですが、すごく大切なことだと思います。
皆さんも、『生きる』を観て、いろいろ感じていただけたら嬉しいです!私もこれを機に、黒澤映画をもっと観てみよう~っと!
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事