テレ朝『七人の秘書』が下馬評覆して大健闘のワケ 高視聴率の要因は“複数主人公制”と『ドクターX』テイスト?
#ドラマ #米倉涼子 #ドクターX #テレ朝
テレビ朝日系の木曜ドラマ『七人の秘書』(木村文乃主演)が10日に最終回(第8話)を迎え、自己最高の16.7%(ビデオリサーチ調べの世帯平均視聴率、関東地区・以下同)をマークして有終の美を飾った。
全話で13%以上を記録して、平均は14.5%と上々。2クールをまたぐ『相棒season19』(水谷豊主演、テレ朝系)、『監察医 朝顔』(上野樹里主演、フジテレビ系)は別として、秋ドラマの中で視聴率的にはぶっちぎりのトップになりそうだ。
『七人の秘書』は、ふだんは要人に仕え、組織に溶け込み、目立たぬことを極意とする、名もなき秘書(木村、広瀬アリス、菜々緖、シム・ウンギョン、大島優子)と元秘書(室井滋、江口洋介)の7人が、理不尽な目に遭う社会の弱者を救い出すべく、カネや権力にまみれた非情な支配者たちを一掃して成敗する物語。脚本は『ドクターX~外科医・大門未知子~』などでおなじみの中園ミホ氏が担当した。
そもそも、『七人の秘書』の下馬評は決して高くなかった。本来なら、テレ朝の10月期の木曜ドラマは米倉涼子枠だが、3月に独立した米倉との交渉が不調に終わり、妥協案として『七人の秘書』が放送されるに至った。主演の木村はおおむね脇役が多く、「木村が主役では弱いので、数字を獲るのは難しい」とも言われた。従って、同局的には視聴率が振るわず、“捨てドラマ”になることも覚悟していたようだ。
ところが、初回13.8%で好発進すると、ほとんど数字を落とすことなく13~15%台で推移。最終回ではハイレベルな視聴率でフィニッシュした。前評判が悪かったのに、高視聴率を獲れた要因はどこにあったのだろうか?
「確かに木村では、テレ朝の看板ドラマ枠の主演を務めるのは弱いとの見方もあったでしょう。ですが、日本のドラマ初出演でネームバリュー不足だったウンギョンを除き、木村を含めた、ほかの6人は、このメンバーで何本もドラマが作れそうな豪華キャスト。個々のファンは足し合わせると相当数の数になる。ストーリー的には、木村が一人で目立つ形ではなく、回ごとに主人公的なキャストが変わる展開。これなら、木村のファンでなくても、アリスや菜々緖、大島らを見たい層も楽しめたはず。つまり、各出演者が木村の影に埋没せず、どのキャストも生かすことができた。それがよかったのでしょう。まあ、絶対的な米倉主役の『ドクターX』とはまったく逆の見せ方で、それがうまく機能しました。
それから、やはり弱者を救い、悪者を倒す“勧善懲悪”で、視聴者が見た後に、爽快感というかスッキリできた点も大きいでしょう。その意味では、中園氏の真骨頂というか、典型的な“勧善懲悪”の『ドクターX』テイストになっていて、それも幸いした。キャストもさることながら、脚本のよさも高視聴率の要因と思われます。
なじみが薄かったウンギョンも、演技力の高さを披露し、視聴者も納得でしょう。今後彼女は引っ張りだこになるかもしれませんね」(テレビ誌記者)
同局内では、米倉、木村拓哉といったトップスターを擁せずとも高視聴率で終えられたのだから歓喜の声が上がっているはず。ネット上では視聴者から絶賛され、続編を望む声が数多く挙がっているようだが、さすがにこの7人のスケジュールを再び合わせるのは至難のワザか?
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