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北方領土返還は事実上不可能に! プーチン大統領が憲法改正に署名で

日本政府がロシアに投入した数千億円がドブに…

 これに対して日本政府は、「領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもと、粘り強く取り組む」としているが、もはや“遅きに失した”ということだ。

 半面、日本政府は安倍晋三前首相が18年に、歯舞群島と色丹諸島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言をベースに事実上の2島返還をめざす方針へと転換し、プーチン大統領との首脳会談で3年以内に平和条約を締結することで合意したことで、方針転換への賛否両論はあったものの、返還への期待感が大きく膨らんだ。

 これまでも日本は、北方領土返還問題に関連して90年代にはサハリンなどでサケの養殖場などの日ロ合弁事業に資金を投入。また、16年に安倍前首相がプーチン大統領と合意した「新しいアプローチ」による交渉に関連して、経済協力としてロシア政府やロシア企業が進めるエネルギー開発や医療分野などに3000億円を超える資金を投入している。

 こうした資金のほとんどは結果的に“ドブに捨てた”ことになる。

 新型コロナウイルスの感染拡大と日本の政権交代により、日ロ首脳会談が行うことができなかった間隙をぬって、プーチン大統領の見事な計略だったと言えよう。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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Twitter:@tohrusuzuki

鷲尾香一の ”WHAT‘S WHAT”

わしおこういち

最終更新:2020/12/11 10:04
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