NHKほか、メディアがバイデンを“次期米大統領”と呼べない複雑な裏事情 無視できないネトウヨと福音派の反発
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先月7日に民主党のジョー・バイデン前副大統領が米大統領選での勝利宣言した後も、日本主要メディアの大半はすぐには、バイデンを次期大統領とは呼ばなかった。
トランプ大統領がいまだに選挙結果を認めていないこともあったが、背景には「下手にバイデン次期大統領と呼ぼうものなら、ネトウヨからのもの凄い反発、抗議を覚悟しなければならなかった」(大手新聞社外信部デスク)という裏事情があったからだ。
気になったのでちょっと調べてみた。日本のメディアでは、バイデンをすでに“次期米大統領”と表記しているところもあれば、NHKのようにいまだ、「アメリカ大統領選挙で勝利を宣言したバイデン前副大統領は」と表記するところもある。共同通信は先月23日、トランプがバイデンへの政権移行手続きの開始を容認したのを契機に、配信記事上の表記をバイデン次期大統領に改めていた。
なぜ投票権もない米大統領選の結果をここまでネトウヨたちは気にするのだろうか?保守系シンクタンクの理事の1人は、ネトウヨの過剰な反応について「彼らは中国に強硬な姿勢を取る、トランプ大統領に強いエンパシーを感じている。尖閣諸島などの領土問題も、北朝鮮による拉致もトランプなら日本の味方になってくれると信じている」と話す。
たしかにネトウヨを含む右翼の愛読誌「月刊ウィル(WiLL)」(ワック)と「月刊Hanada」(飛鳥新社)を見てると、各一月号では「一夜にして『魔法のように消えた』トランプ票」、「米大統領選 米、日、主要メディアの異常な偏向報道」等々、センセーショナルな見出しをつけた記事を並べた特集を組み、今回の米大統領選でのバイデン氏の勝利は、郵便投票による不正とメディアの偏向報道によるものと結論づけている。
無視できない日本国内の福音派
これに加え、日本国内の一部福音派の動きも無視できない。米国内のキリスト教右派、福音派と強い繋がりを持つと言われる彼らはYouTubeなどを通し、バイデンの大統領選での勝利は不正を働いた結果と繰り返す。
その中でも代表的なのが日本福音同盟の協力会員の一つで伝道団体「ハーベストタイム・ミニストリーズ」の代表、中川健一牧師がYouTubeを通し、繰り返し行う説教だ。中川牧師が11月17日にアップした「米大統領トランプ勝利の可能性は?」はすでに約36万人以上が視聴している。
中川牧師は「トランプが勝利した場合は複数の大都市で暴動が起きる可能性がある」と主張し、その場合、首謀者はブラック・ライヴズ・マター(BLM)や極左反ファシスト団体「アンティファ」の可能性が高いと、民主党左派による陰謀説を煽る。中川牧師によれば、トランプはこうした左派の動きに備えており、BLMやアンティファ主導の暴動がテロと認定された場合は「トランプが連邦軍を用いて鎮圧にあたる可能性が非常に高い」とする。
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