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菅首相、特捜部の捜査は止めていない――「桜疑惑」はやはり官邸リークか?

イギリスでワクチン接種開始…各誌が報じるその実態

 さて、イギリスでもワクチンの接種が始まった。

 コロナも恐いが、副作用も恐い。ポストは、医者たちがワクチン接種をこう考えていると報じている。

 まずはコロナに感染した経験者から。

 ジャーナリストの伊藤博敏(感染時は64歳)がこう語る。

「私の場合は37度台後半の発熱があった程度で体調はそれほど悪化しなかったが、年齢に加えて高血圧、肺がんの既往症ありで“重症化リスク”が高いため、即入院となりました。
治療の過程で投与する可能性のある未承認薬については患者の同意が必要と告げられ、副作用などが細かく書かれた同意書を読んで、最終的にはサインしました。
その未承認薬は、新型インフルの治療薬『アビガン』と喘息治療用のステロイド薬『オルベコス』でしたね。入院翌日に体調が回復したのでいずれの薬も投与しませんでしたが、もし私が同意しなかったり、病院や担当医が違えば別の薬が提示されていた可能性はあります」

 厚生労働省の『新型コロナウィルス感染症診察の手引き・第3版』によると、新型コロナ発生から約1年が経った現在、日本で使われている治療薬は8種類あるという。

 そのうち国内承認を得ているのは、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」と抗炎症薬ステロイド薬「デキサメタゾン」の2種類だけ。

 コロナ治療の最前線で働く愛知医科大学病院の後藤礼司医師(循環器、感染症)がこう語る。

「未承認薬はどれも確かな薬効を示すデータがない。いまはまだ試行錯誤の段階だというのが正直なところです」

 関西福祉大学教授(渡航医学)の勝田吉彰が解説する。

「いずれもウイルスの増殖を抑える目的の薬で、理論上は症状の軽重にかかわらず使えます。ただ承認を受けているレムデシビルは供給量に限りがあるため、重症者に限定して投与されている」

 よく名前を聞く国産のアビガンなどの薬効はどうなのか。

「日本では国産という安心感からアビガンがよく使われますが、“ひょっとしたら効くかも”と試験的に使われているのが実情です。残念ながら効いている実感は得られていない。僕は患者になっても使わないですね。同じ抗ウイルス薬でもレムデシビルは『重症患者に早めに投与すると効果がある』という海外の治験データがあるので、自分も重症化すれば投与を検討すると思います」(後藤礼司医師)

 新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦医師はこうだ。

「デキサメタゾンはオルベスコと同じくステロイド薬ですが、研究結果と実績が違う。オルベスコは“コロナにも効くかもしれない”というレベルですが、デキサメタゾンは海外で重傷者に使った場合、死亡率を36%下げられたという論文もアップされている。とくに肺炎が進んだ場合は効果が期待できるので、私自身、重症化したら使用したいと考えています」

 多くの医師がコロナ治療の大本命として挙げたのは、米国のトランプ大統領が罹患した際に投与された「抗体カクテル」だという。

 これはコロナから回復した患者の血液に含まれるたんぱく質の抗体を活用して作られる薬で、トランプに投与されたのは2つの抗体を組み合わせているので「カクテル」と呼ばれるそうだ。

 74歳のトランプの症状を改善させ、入院からたった3日で退院したことで注目されたが、抗体医薬自体は、日本でもがんやリウマチなど免疫疾患の治療薬として60種類以上が承認されているという。

「抗体医薬がコロナ治療の本命になるであろうことは医療関係者なら誰でも知っていました。日本ではトランプ大統領が使うまで一般に知られていなかったことのほうが不思議です」(大阪健康安全基盤研究所の奧野良信理事長)

 医療ガバナンス研究所の上昌弘理事長もこういっている。

「現在、武田薬品工業は抗体医薬の一種である『免疫グロブリン製剤』の開発を進めており、10月からは国内外で最終の臨床試験を始めています。高額で大量生産もしにくい抗体医薬ですが、世界中の製薬会社が新薬の開発を行ない、世界中の医療関係者がその効果に期待していることは間違いない。

 武田薬品も、治験の結果次第では日本政府が費用を補填し、まずは重症化リスクの高い高齢者や持病のある人に優先的に投与される可能性はあると思います」

 ポストによると、ワクチンの実用化が迫る中、医療関係者用の会員制サイト「ケアネット」で、ワクチンに関する医師1000人アンケートが実施されたという。

 ポストは医療関係者の協力を得てその結果を入手したそうである。

「どこの国が開発したワクチンを希望するか(複数回答可)の設問に対し、アンジェス(大阪大学発のバイオベンチャー)などが開発を進める『日本』と答えた医師が396人で1位。アストラゼネカやGSK を擁する『英国』は2位231人)、ファイザーやモデルナを擁する『米国』は3位(222人)だった。

 しかし、同アンケートでは前提として「ワクチンが日本で接種可能になった場合、接種したいと思うかという問いに対しては、全体の38.8%398人)が摂取したくないと回答しているのである。

 ワクチンの接種を希望しない理由として最も多かったのは安全性等のエビデンス不足だ。まもなく接種が始まる米国製、英国製ワクチンの有効性や安全性はどうなるか。

 ワクチンメーカーで勤務経験がある奧野良信理事長はこう指摘する。

「ワクチンを接種しなかった人の発症率を1とした時に、ワクチン接種によってどれくらい発症率が下がるかを推定したのが有効率です。

『95%の有効率』という場合、100人いたら95人が発症しないという意味ではない。例えば、ワクチン非接種者と接種者それぞれ1000人をサンプルとした場合、非接種者の100人が感染し、接種者の5人が感染すれば有効率は95%になる。
100人と5人という感染者の数を比較して、“ワクチン接種で感染リスクをどれだけ減らせたか”を表す数字なのです」

 この場合はワクチンを接種していなくても、もともと9割の人が感染していない。それでも有効率は95%となるそうである。

 日本製のワクチンを接種したいという声が多いのは。

「従来、日本のワクチンは海外製に比べて副反応のリスクが圧倒的に少ない。欧米は多少の副反応が出ても許容され、それより有効率の高さを求める意識がある。安全性を第一に求める日本人医師の志向の表れではないか」

 だが日本製のワクチンを作るのはかなり難しいといわれる。

「数万人単位の臨床試験を実施する欧米のワクチン開発と比べて、日本では数百人単位の臨床試験しかやってきませんでした。ノウハウがなく、信頼されていません。日本製ワクチンを使いたい医師がいるのは世界で日本だけでしょう。現段階ではどのワクチンも安全性のデータがあるとは言えず、横一線の印象です」(上昌弘理事長)

 ワクチンにあまり過大の期待を持つのは、まだまだ時期尚早ということなのだろう。

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