【緊急】Kis-My-Ft2「おっぱいドラマ」をめぐる議論 メディア文化論教授が語る“傷ついたファン”とジャニーズ事務所への提言
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アイドルがバカにされないために──ファンが声をあげる意味
──これまであげた問題点を理解できた上で、苦悩しているファンもいます。私はどちらかというと、こういう人たちに心を寄せてしまう。やっぱり推しが世間から責められている姿を見るのはつらいんだけど、庇うことはできない。でも、ことを大事にしたくなくて口をつぐんでしまう気持ちはわかります。
田中 その気持ちはすごくわかる。私も推しがやらかしたことがあるので……。でも個人的には本当に愛があるなら、運営に伝えるべきだと思うんです。「こういう表現は時代にそぐわないですよ」って。これを見逃すと、事態は悪化する。というかジャニーズはどんどん悪化しているように見えますよ。
──でもジャニーズファンの間には「声をあげてもどうせ届かないだろう」という、一種の無力感のようなものもある気がするんです。例えば、K-POPのアイドルなんかは個人個人がツイッターやInstagramを開設していて、それ故にしょっちゅう炎上してるんですが、ある種の「ファンとの対話」の場として機能している。SHINeeのジョンヒョンとフェニストであるフォロワーが直接DMで対話をした事例なんかが有名です(「見きわめる目と傾ける耳」を持ったアイドル、SHINeeジョンヒョンとフェミニストとの対話」Yahoo!ニュース)。
しかし、ジャニーズのアイドルはSNSをやっていない(という設定)ですから、対話は難しい。それはそれでいいのだけれど、じゃあジャニーズに窓口があるかというと、公式サイトのお問い合わせ窓口のみ。百歩譲ってそれもいいとして、もっともタチが悪いのはマスコミがジャニーズに忖度して問題を黙殺することです。今回のことだって、大手のメディアは絶対に取り上げません。いくらファンが声をあげたところで、無視され、なきものにされる。だから声をあげることに意味を見いだせない部分があるんじゃないでしょうか。
田中 ジャニーズがそういう姿勢だから、所属タレントたちを教育しないし、タレント自身が気づけない問題点もいっぱいあるんでしょう。それが最近になって噴出してきている。山口達也さんの件にしろ、山下智久さんの件にしろ、多少問題が起こっても事務所がどうにかしてくれるだろうと高を括ったんじゃないでしょうか。でも、それももう限界にきていると思います。
──ジャニーズに粗相があるたびにファンも恥をかき続けている。そのことを重く受け止めてほしいんです。アイドルを眺めるのはファンですが、そのファンは世間から眺められている。
田中 そうですね。だからこそ、ここでファンが声をあげることは意味のあることだと思います。アイドル文化というのは、タレントであるアイドルとファンたちとで形成されるものですから。現に、ファンが声をあげたことで取り上げるメディアもあります。痛みを伴うことだけど、自分たちがこれ以上傷つかないためにも、大好きなアイドルが世間からバカにされないためにも、間違っているのではないかと不安に思う事案が起こったらそこに疑問を呈していく姿勢は大事だと思います。
──SMAPの解散騒動から端を発して、メディアのジャニーズ忖度に異議を唱える声が増し続けていますから、ファンの声だって無駄にはなっていないはずです。
田中 今は昔に比べて“アイドル”という存在が広く世間に認知されている。かつてのように「10代の時期に恋焦がれるもの」ではなく、大人も一緒になって熱中できる存在になった。アイドルを応援するという行為の対象年齢を広げたのは、ジャニーズの力が大きいでしょう。でも、そうなると同時に社会的責任も増す。ジャニーズの一挙手一投足が日本のエンタメの象徴かのように捉えられる部分もあるからこそ、一エンタメ企業として時代を読む力と作る力が問われる。そのことを再度意識する必要があるんじゃないでしょうか。
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