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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『家つい』親友とゴミ屋敷に住む男

『家、ついて行ってイイですか?』家族より親友を選んだ男は、我が子にピンポンダッシュされて喜びを噛みしめる

家族よりも親友を選び、ゴミ屋敷に住み続ける男

 神奈川・川崎駅前でスタッフが声を掛けたのは、飲みの帰りだという男性2人組。前の職場で彼らは先輩後輩の間柄だったそう。今は2人とも建築業に従事しており、後輩は先輩のことを「相棒」と呼んでいる。

――2人とも近くに住んでる?

後輩 「だって、シェアハウスだもん」

 実は、この後輩は結婚している。到着すると家が2つあり、本家には彼の奥さんと2人の子ども、義母、義兄が住んでいるとのこと。そして、その裏にあるもう1軒の家に男性2人組は同居しているのだ。つまり、“シェアハウス”は後輩の奥さん家族が持つ家である。それにしても、どうして彼だけ本家に住まわせてもらえないのか? それどころか、家賃55,000円まで取られているらしい。家族なのに、どうして……。

 シェアハウスに足を踏み入れると、そこはゴミ屋敷寸前だった。何しろ、食べたものは捨てないでそこら辺に放ったらかしにするのだから。布団なんて謎に真っ黒だし……。どうして、ゴミを溜めたままにする?

「1つは仕事上。現場仕事っていうのはすぐ“バッ”と出なきゃならないから、捨てに行こうと思っても時間がなくて。目覚ましが鳴って4時半に起きて、そこから二度寝三度寝して、忘れちゃうときあるじゃん?」

 言い訳でしかない。そもそも、このシェアハウスは男性と奥さんと子どもたちで住む予定だった。しかし、今ではゴミ屋敷過ぎて奥さんさえ来たがらないのだ。

 乱雑な家の中を見渡すと、給与明細の入った封筒が無造作に落ちていた。見せてもらうと、月の給与は20万円。そこから酒を飲むために前借りした63,000円が引かれており、受け取ったのはたった14万円である。子ども2人がいてこの収入は、正直キツい。だから、彼は家賃を毎月必ず納めているわけではなかった。

「余裕があるときだけですね。3~4万円とか……」

 家族から家賃を取るのもどうかと思ったが、男性の口ぶりからすると彼は稼ぎを家族に渡していない。子どもを養っているのは奥さん家族だし、彼自身も本家にお世話になりっぱなしだ。もしかすると、追い出されずにいるだけマシなのかも……。

 男性がこの家で先輩とシェア生活を送るようになったのは5年前から。本来なら、奥さんが出産を終えたタイミングで家族みんなで住むはずだった。

「相棒(先輩)が来て、『住む家がない』って言われて『しょうがない、住ませてやる』ってことで。親友っていうのもあるし。親とバトって住所不定っていうことになって、俺のところに泣きついてきたっていう男だよ。だから、見捨てられなくて……」

 美談のように語っているが、ここは彼の持ち家ではないのだ。家賃もたまにしか払っていないのに、家族を捨ててでも他人を住まわせる権利があるはずがない。加えて、先輩の図々しさも度が超えている。もしかしたら、後輩より先輩の人生のほうがヤバい気がするのだ。

――家族と一緒に住みたいとかは?

男性 「ある。俺がこの家を出て隣の部屋に住んだら、相棒(先輩)にこの家を譲ろうかとは思っている」

 譲るも何も、あなたの持ち家じゃないってのに! 悪い人ではなさそうだが、言っていることがいちいちズレている。

男性 「お義兄さんからは、『(一緒に住むのは)無理だ』って言われて」

――どうして反対されているんですか?

男性 「自分の口答えとかそういうので(義兄と)喧嘩することがよくある……。義兄さんに対してガンとか飛ばさないように、自分なりに注意していこうかって」

 ガンを飛ばしてくる義弟なんて、そんなのお義兄さんだって嫌なはずだ。ところで、2人の子どもたちは彼のことをどう思っているのか?

「子どもたちが俺に会いたいときは、ピンポン押しに来たりとか。“ピンポ~ン”って押すじゃん? そしたら、もう逃げちゃうのよ。『なにー?』って言ったら『あれ? いねえ』。俺と同じでいたずら好きでね、本当。嬉しいよ」

 実の子どもにピンポンダッシュされ、喜んでいる父親。子どもたちからすると、お父さんというより“隣の家に住む変なおじさん”と認識されていそうだが……。世界は広い。様々な家と、そして人生がある。

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