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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ぼる塾・田辺とヒューマンステージの高さ

ぼる塾・田辺さんの“敬称”問題とヒューマンステージの高さについて 「グルメ王の座を狙っていきたい」

尾木直樹「頭隠して、あ、タマ隠さず」

 小説家や漫画家など物語を作る人のインタビューを見聞きしていると、「キャラクターが自然に動き出す」というフレーズにしばしば出会う。キャラクターを設定するとその後はキャラクターが動き出し、作者の筆はその動きを追うだけ。おのずから話すべきことを話し、行くべきところへ行く。ときに作者の想定を超えるものの、最終的にその動きはそうなるべくしてなったとしか言えない軌跡を描くという。

 さて、22日の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の企画は「芸能界クソ返しダービー」。誰がいちばんつまらない受け答えをするのかを決める企画だ。集められたのは尾木直樹、布川敏和、徳光正行の3人。各自にインタビューを行い、そのVTRを松本人志が審査する。3人には、質問を受けたら「自分らしく膨らませて返して」とだけ伝えてある。

 で、中でも尾木ママこと尾木直樹の言動が興味深かった。着ている服の色のイメージを聞かれると「これはビタミンCを通り越して、ビタミンDになっちゃったのよぉ」。デーモン閣下のニックネームを考えてくださいと言われると「スパイダージャック。ちょっとジャックナイフが出るのよぉ」。みちょぱのニックネームは「ぶちょぱ。彼女はちょっとたるんじゃったのよぉ」。そして、「頭」という言葉でダジャレを作ってくださいとお題を出されると、次のように答えた。

「頭隠して、あ、タマ隠さず。タマ隠さず。ねぇ、『あ』が取れちゃったのよぉ」

 学校教員を経験した後に、教育評論家として活動してきた尾木。大学でも教壇に立ち、著作も多い。そんな彼がバラエティ番組に出て尾木ママと呼ばれるようになり、テレビの前で「頭隠して、あ、タマ隠さず」と言っている。相手の困惑を「ダジャレが伝わっていない」と誤認し、もう一度ダジャレを繰り返し、念押しで説明を加えている。

 いや、尾木もいろいろなことを考えながらテレビに出ているはずだ。私のような人間には理解できない高さのヒューマンステージなのだろう。けれど、みちょぱを「ぶちょぱ」と言って笑っている姿をみると、こちらも困惑しつつ笑うとともに、どうしたって「不思議」の3文字が頭に浮かぶ。

 が、キャラクターは自然に動き出すらしい。行くべきところへ行くらしい。尾木ママも、最終的にはそうなるべくしてそうなったとしか言えない軌跡を描いている最中なのだろう。今はただ、見守ろうと思う。

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2021/09/21 11:17
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