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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ぼる塾・田辺とヒューマンステージの高さ

ぼる塾・田辺さんの“敬称”問題とヒューマンステージの高さについて 「グルメ王の座を狙っていきたい」

バイきんぐ・小峠「嘘はね、やっぱ面白くないよ」

 24日の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)。芸人2人が飲みながら語り合う恒例の企画で、パンサーの向井慧とバイきんぐの小峠英二がサシ飲みをしていた。そこで向井は、これまでさまざまな番組で見せてきたように、小峠を前に悩みを語る。

 たとえば女子大学生4~5人とパンサーでロケに行くとする。そのとき学生たちが少し揉める。その場を仕切る向井の役目は、彼女たちのいざこざを焚き付けることだ。番組制作側のそんな演出意図は重々承知している。けれど同時に、向井としては彼女たちに楽しく帰ってほしいという思いもある。そんな中で、争いを煽るような役回りがなかなか演じられなくなってしまったという。

 この悩みに、小峠が答える。

「それ、やんなくていいと思うよ。それはだって、そういう人間じゃないんだから。芯の部分、ベースの部分がそういう人間じゃないからさ」

 小峠自身も、無茶振りができないという。番組の流れの中で求められれば「月収いくらなの?」といったことは一応聞くけれど、「大丈夫、言いたくなかったら言わなくていいよ」と付け加えてしまう。

「ベースがそういう人間じゃないやつが意地悪なことやっても、そんなに面白くないんじゃない? って思うんだよね。本気でやってないから。どっかに迷いがありながら振るし、イジるから」

「嘘はね、やっぱ面白くないよ。最近もさ、ワイプとかもさ、もう無理なリアクションとかさ、しなくなっちゃったもん」

 そして、自分は面白くないと悩み続ける向井に、こう語りかけるのだった。

「向井、大丈夫だよ。もっというと、パンサーが大丈夫だよ。ここにきて。3人のバランスでいうと完璧じゃない。バカがいて、頭脳がいて、ツッコミがいてっていうさ。バランスでいうと完璧なんじゃねぇか、パンサーなんかさ。さらにさ、今日を機会にさ、向井が人間味が出たらいいなと。意味のある回じゃない、そうなるとさ。たまに出る向井のさ、尾形をけちょんけちょんに言う感じとかさ、やっぱみんな面白いと思うんだよね。俺も面白い。俺が面白いってことは芸人が面白いと思う。じゃあ芸人が面白いってことは視聴者も面白いと思ってるかもしんないからさ。なんかさ、もう1個こう、1歩踏み出すみたいなさ。無理する必要もないし。大丈夫だよ。向井、大丈夫だよ。大丈夫。面白い。大丈夫だよ」

 途中に「無理する必要もないし」と挟みながら、「大丈夫だよ」と繰り返す小峠。向井はこの言葉を聞き、「……ちょっと、泣いちゃいそうなんでトイレ(笑)」と席を外すのだった。

 小峠、ナイスガイ。ヒューマンステージ高段者。私を含め、テレビを見ている人はいろいろなことを言って、その中には「テレビは時代遅れのオールドメディア」みたいな批判もあるわけだけど、テレビに出ている人は当然、見る人以上にいろいろなことを考えている、ということも改めて思う。

 が、それ以上に、その容姿も相まって小峠の言葉はお坊さんの説法のようにも聞こえる。なんだか瀬戸内寂聴のようにも見えてくる。悩める芸人が集う説法の会とか開いたらどうだろう。寂庵的な庵を作ってみたらどうだろう。

 そして、その庵に霜降り明星のせいやがやって来たら、とりあえず優しく迎え入れてほしい。

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