“ご近所トラブル”にはどう対処すればいいのか? 篠原ゆき子の初主演映画『ミセス・ノイズィ』
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『グラン・トリノ』とは異なる結末
天野監督の分身である真紀を演じたのは、天野監督とはほぼ同世代の演技派女優・篠原ゆき子。篠原が注目を集めたのは、2010年に放送された大根仁監督のTVシリーズ『モテキ』(テレビ東京系)。主人公が童貞をこじらせるきっかけとなる高校時代の先輩・桜子を演じた。その後も、青山真治監督の『共食い』(13)や現在公開中の話題作『罪の声』などで、短い出番ながら印象に残る役を熱演している。さまざまな役を演じてきた篠原だが、長編映画での主演は本作が初となる。
「映画『愛の渦』(14)などで知られる三浦大輔監督のワークショップに私が参加した際に、篠原さんも参加されていて、そのときも非常に面白い芝居を見せていました。その後、篠原さんは舞台や映画で大活躍するようになり、いつかお仕事をお願いしたいと思っていました。篠原さんはとても豊かな表現力の持ち主です。ベランダでのケンカの場面はアドリブも交えて、とても面白いシーンにしてくれました。美和子役の大高洋子さんはオーディションを兼ねたワークショップに参加してもらい、キャスティングしました。菜子役の新津ちせちゃんは、お母さんの三坂知絵子さんがワークショップに参加していたことから一緒に映画に出演してもらうことになったんです。ワークショップ期間も含め、キャストのみなさんとじっくり話し合える時間があったことが作品にはプラスになっています」
ご近所トラブルをめぐるこの物語は、どのような結末を迎えることになるのか。『グラン・トリノ』のように一方だけを断罪する形では終わることはできない。
「脚本の第1稿とは、ずいぶん違ったエンディングになりました。脚本は何度も書き直し、キャストからもアイデアをもらい、撮影現場でも変えていきました。自分の頭の中で考えていたものが、生身のキャストの方たちと触れていくことで変わっていった部分もあるように思います」
天野監督が悩みに悩み続けた『ミセス・ノイズィ』の結末は、騒音おばさんに対する興味から本作を観ていた観客が考えていなかった意外なところへと着地する。主婦業と育児を兼ねながら天野監督は、本作を完成させた。監督自身の内面的な成長を感じさせるエンディングではないだろうか。
『ミセス・ノイズィ』
監督・脚本/天野千尋
出演/篠原ゆき子、大高洋子、長尾卓磨、新津ちせ、宮崎太一、米本来輝、洞口依子、和田雅成、縄田かのん、田中要次、風祭ゆき
配給/アークエンタテインメント 12月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
c)「ミセス・ノイズィ」製作委員会
※天野監督自身がノベライズ化した小説『ミセス・ノイズィ』(実業之日本社文庫)も12月4日(金)に発売。
https://mrsnoisy-movie.com
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