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『鎌倉殿の13人』小池栄子が裏主人公になりそうな深いワケ 史上最高に“血なまぐさい大河ドラマ”の誕生か

政子の子殺し 史上最高にドロドロの大河に?

 そして怖いのが、頼朝にゾッコンだった政子が、頼朝との間に生まれたわが子に対し、頼朝の死後、非常にシビアで残酷な行いに出ていくことですね。ハッキリいうと、自分の手で彼らを殺していく……源氏の血筋あって始まった鎌倉幕府から、なぜか源氏の血筋を根絶やしにする行動に出るのです。だからこそ、政子の弟・北条義時(小栗旬)が、「鎌倉殿~」の主人公になりえるのです、が。このあたりは、詳しく述べるのはまだ自粛しておきます。

 私見ですが、政子が“鬼”になってしまった理由は、彼女が絶望してしまったゆえであろうと思っています。政子が女性として人生の一番良い時期を捧げた男・頼朝に、その情けない死に際を見せられ、本当に自分はこの男から裏切られていたんだ、愛されていなかったんだ、と感じたことが大きかったのでは、と。その怒りが頼朝との間に授かったわが子に向かっていくのは、非常に興味深い屈折した心理ではありますね。

 ……と史実とその“行間”を解釈すればするほど、「家族愛」をテーマにしたがるNHKのドラマとしてはキツい内容になりそう。

 来年の日本史上屈指の「スケベジジイ」渋沢栄一の生涯を描く『青天を衝け』に続く、問題作になることは明らかです。今からいろんな意味で楽しみでなりませんね!

堀江宏樹(作家/歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。原案監修をつとめるマンガ『La maquilleuse(ラ・マキユーズ)~ヴェルサイユの化粧師~』が無料公開中(KADOKAWA)。ほかの著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『本当は怖い江戸徳川史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

Twitter:@horiehiroki

ほりえひろき

最終更新:2023/02/21 12:04
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