深夜ラジオ番組、スポンサー完全撤退 負のスパイラル加速か
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文化放送の長寿深夜番組『走れ! 歌謡曲』が来年3月に終了することが先日、発表された。1968年から続く「由緒ある深夜放送」の突然の打ち切りに、業界関係者からは悲鳴が上がっている。
ベテランラジオ放送作家は「番組は坂本冬美、川中美幸、香西かおりら演歌歌手が歴代パーソナリティーを担当。番組も日野自動車が一社提供で続けてきたが、昨秋からCMスポットが少なくなったり、今秋もネット局が減少するなどフェードアウトする準備は徐々に進めていた。裏局のニッポン放送は基本、CMに関してはローカルのものが多いため、ラジオ局が深夜で稼ぐイメージはなかなかない。それだけに、今回の出来事は伝統と歴史が変わる印象が非常に強い」と説明する。
今後、懸念されるのはラジオCMスポンサー降板に、拍車がかからないかということだろう。
「今回の場合、やはり業界的にもインパクトの大きい番組消滅発表だと思います。それは同時に、媒体としてスポンサーが魅力を感じていない証拠にもなってしまった。これがラジオ業界の主戦場である、平日昼間の番組のスポンサー関係に来年以降、影響が出ることは間違いない」(同)
テレビや雑誌などに先駆けて、ラジオメディアはではスポンサー問題が浮上し、番組と絡めたイベント運営やラジコなども積極的に活用することが試みられてきた。だが、業界の低迷が加速し、収益健全化にはなかなかいたってない局がほとんどだという。
「TBSラジオなどの業界最大手局であっても、たとえ人気がある番組でも、CMスポンサーが見込めないような番組はそうそうに打ち切られてしまいます。じっくり番組を育てるといった余裕など、とっくにありません」(放送作家)
何とか負のスパイラルを止められる奇策はないのだろうか。
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