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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 霜降り明星おいしいネタはテレビではなくYouTube
放送作家が人気動画を分析「YouTubeには手を出すな」7

霜降り明星、おいしいネタはテレビではなくYouTubeで出す!? 先輩芸能人とは一線を画すネットネイティブ世代の価値観

あえて美味しいネタはYouTubeのワケ

 これがネットネイディブ世代の芸能人の考え方です。

 テレビとYouTube、同じ映像コンテンツではありますが、その特徴は180度違います。テレビは一度放送されたら基本的には二度と見られません。SNSで言えばストーリーズのようなもので、その時に見ないと消えてしまう消費型のコンテンツと言えます。しかし、YouTubeは動画が蓄積され、今日でも1週間後でも10年後でも同じコンディションで見ることができるストック型です。霜降りの2人は、この特徴をよくわかっているのです。

 とにかく一番強調しておきたいのは、この世代の芸能人が一番おいしいネタをテレビに提供することに価値を見出していないということです。よく考えれば当たり前のことですが、おいしいネタほど自分のメディアで出すという価値観が、これからの芸能人のスタンダードになります。それは同時に、これからのテレビとYouTubeの関係性を表すことでもあります。

 もちろん、理由はこれだけではないでしょう。

 プライベートがからむネタなので他人にコントロールされてしまうテレビではなく、自分でコントロールできるメディアで出した方が安全という判断。あえて影響力が小さいYouTubeに出すことで店に客が殺到することを避けられるなど、様々な考えが入っているとは思います。ですが、それ以上にYouTube時代の情報発信への価値観を理解することは重要です。

 何はともあれ、芸能人のYouTuber化が進んだ今、テレビのあり方は大きく変わりました。影響力が落ちたと言われますが、今でも圧倒的なリーチ力を誇る日本最大の映像メディアであることは変わりません。テレビには何ができるのか? YouTubeと一緒に何ができるのか? そんなことを考えさせられる霜降り明星の動画でした。

谷田彰吾(放送作家)

クロスボーダークリエイター・放送作家 / TVクリエイターギルド 株式会社VVQ代表 ドキュメンタリー番組『プロ野球戦⼒外通告』『バース・デイ』、有吉弘⾏、乃⽊坂46、池上彰などのバラエティ番組を構成。YouTubeでは『上原浩治の雑談魂』などを担当。放送作家だけでなく広告プランナーとしても活動。業界の垣根を超えたクロスボーダークリエイティブがモットー

YouTubeには手を出すな

Twitter:@VVQ_SHOWGO

【VVQ】

たにだしょうご

最終更新:2021/01/02 14:28
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