『フリースタイルティーチャー』原田龍二、覚醒! 品川裕の“4WD不倫”ディスを完璧アンサーで打ち返す
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11月11日放送の『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)で、ある1人のラッパーが覚醒する瞬間を目撃した。歯がゆい時期を見続けてきただけに、我々の感慨もひとしおである。
“表現力”を磨いたゆきぽよと、“基本”を磨いたゆいPの差
第1試合はゆきぽよ(ティーチャー:ID) VS ゆいP(ティーチャー:崇勲)。このバトルで痛感したのは、ティーチャーを担当する凄腕ラッパーたちの資質だ。まず、IDについて。とにかく、彼はセンス抜群だ。リズム感やフロウ等の素地は元から他のラッパーより数歩先を行っていたと思う。自ずと、彼は“表現力”や“自分を開放すること”に重きを置くようになる。そんなIDがティーチャーになれば、ビートアプローチなど技術的な基本より、やはり表現力を指導することになるだろう。
IDがレッスンしたゆきぽよのバトルを見ると、ビートアプローチはまだあまりできていない。ただ喋っているだけのように聴こえてしまうのだ。反面、口の悪さはバッチリで、そこはIDによる指導が見事に花開いていると思う。
対するゆいPは、どんどんラップが上手くなっている。最初は全くフリースタイルができていなかった彼女が、だ。実は基本に忠実な崇勲の指導で地に足をつけた成長を辿っているのだと思う。不器用ながら努力してスキルを磨いていったであろう崇勲は、ティーチャーとして有能なのかもしれない。このバトルはゆいPの勝利に終わった。
自らの弱さに向き合った原田龍二が“大本命”品川に圧勝!
第2試合は、原田龍二(ティーチャー:裂固) VS 品川祐(ティーチャー:サイプレス上野)の一戦。このバトルを見て筆者は感動した。原田がすごく良かったのだ。初戦とは見違えるほどの出来。ゆきぽよにボコボコにされて「ちょっと見ていられないな……」と同情しそうになったが、今回はトラックが原田にハマったか、リズムキープができていたし、フロウに関しても原田流を貫き、うっとりさせる雰囲気を放っていた。
見どころとしては、ゆきぽよにも突かれた“4WD不倫”についてのくだりだろう。当然、品川も原田の黒歴史を攻めていく。
品川 「体鍛えてますね 何する為?
そうか 車中で見せる為 だからか ならば納得」
原田 「俺が乗りたいのは4WDじゃねぇよ Wackな週刊誌でもない
俺が乗りたいのは波だ そう
クールなビートとドープなリズムだ
乗れ乗れ 自分の波に乗れ おしゃべりクソ野郎もぶっ飛べ
ディスられたって へっちゃらだい 絶対死なない Never die」
見ているIDやZeebraや裂固が思わずアガったほどの見事なフロウ。ディスられても動じず、用意してきたワードで完璧にアンサーしている。しかも、フロウが最高なので“用意してきた感”が全く鼻につかず、自分のペースでライムする姿は文句なしにカッコ良かった。また、彼の世界観とダンディズムが化学反応を起こしており、品川を相手にしていないような一段上のスタンスに立っているようにも見えた。上品さを損なわないままマウンティングしているかのような効果だ。
1st seasonではレイザーラモンRGが相手をディスらないスタイルを実践していた。でも、正直、うまく消化し切れていなかったと思う。しかし、原田の場合は彼のキャラクターも相まって、ちゃんとサマになっている。原田、見事に覚醒! “大本命”の品川に、まさかの圧勝だ。このバトルは2―0のストレートで原田の勝利に終わった。自らの弱さに向き合い、そして認めた人間はやっぱり強い。
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