本社売却のエイベックス、音楽でのヒットはもう無理? アニメに活路見出すか
#エイベックス
大手レコード会社・エイベックスが東京・南青山にある本社ビルを売却する方向で動いていることが明らかになった。
「新型コロナウイルスの影響で、音楽業界はとんでもないダメージを受けている。エイベックスも同様で、ライブもできなければCDも売れない状況に陥っている。今年4月から9月の決算では32億円の赤字を出した挙句、希望退職者の募集も始まった。もはやビジネスの縮小は免れない状態なので、本社を売却して不動産を現金化し、どうにかこの厳しい状況を凌ごうとしているのでしょう」(レコード会社関係者)
小室ファミリーや、安室奈美恵、浜崎あゆみ、倖田來未など、多くの人気アーティストを抱え、1990年代から2000年代にかけて一時代を築いたエイベックス。そのビジネススタイルは、売れっ子アーティスに依存するものだった。
「エイベックスは、一部の超人気アーティストで儲けまくって、そこで得たお金をつかって、さまざまなアーティストを発掘育成するというスタイルで続いてきました。そのおかげもあって、リリースする作品は多様で、音楽シーンにとっては結構重要な存在だったんです。それこそ、90年代後半に『cutting edge』というエイベックス傘下のレーベルで、日本のヒップホップアーティスト作品を多数リリースしていたなんていうのは、まさにエイベックスらしい動き。2010年に立ち上がったiDOL Streetという女性アイドル部門もまた同様です。
でも、時がたって、小室も安室も去り、浜崎も売れなくなり、大稼ぎできるアーティストがいなくなってしまった。にもかかわらず、その他の売れないアーティスたちは残っているわけで、そりゃあ経営が危なくなるのも当然といえば当然です。一部の売れっ子に依存しすぎたツケが回ってきているんです」(同)
現状では自社所属アーティストの育成もあまりうまくいっていないようだ。
「かつての浜崎あゆみのように売れまくるアーティストは長年出ていません。AAAにしたって年内での活動休止が決まっていますからね。一応次なる稼ぎ頭にするべく、男性ダンスボーカルグループのDa-iCEをいろんなメディアでプッシュしているんですが、来年1月から予定されているアリーナツアーも50%の観客で開催することになってしまい、これまた厳しい状況。完全に歯車が噛み合わない状態に陥っています」(音楽業界関係者)
今後、エイベックスが再浮上する道筋はあるのだろうか。
「アイドルの握手会ビジネスはしばらくできないですしね。音楽系でビッグマネーを生み出すには、K-POP系のグローバルグループくらいしかないと思います。エイベックスもK-POPについては早い段階からリリースしているので、今後ここにもっと深く食い込んでくる可能性はあるでしょう。
あとは、アニメですね。エイベックスは『おそ松さん』でかなり稼いだ過去があります。ああいった形での、二次元コンテンツビジネスに積極的に絡んでいくしかない。アニメコンテンツであればコロナの影響も最小限で済みますし、こちらにこそ注力していくのではないでしょうか」(同)
音楽業界を牽引してきたエイベックス。その姿が大きく変容することとなりかもしれない。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事