松浦会長の責任は?退路なし!エイベックス”143億円”本社を売却 すでにスタッフも流出
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5日に希望退職制度による100名程度の退職者募集を発表したばかりのエイベックスだが、南青山の一等地にある本社ビルを売却する方針を固めたことが東洋経済オンラインから10日に報じられた。
この本社ビルはエイベックス・グループ・ホールディングス(当時)が2002年に取得、2014年より建て替え工事を行い2017年に開業したばかり。建て替えに費やした事業費は約143億円と言われており、第31回日経ニューオフィス賞やグッドデザイン賞2019といった受賞の経歴を持つものだ。
本社ビル内にはコワーキングスペースやダンススタジオ、ネット放送も可能な映像スタジオなどを完備。エイベックスのHPで公開されている松浦勝人代表取締役会長のインタビューでは「ビジネスを取り巻く環境の変化」に対応するために建て替えたものだと説明し、「すべてはヒットを生むための改革です。昔の常識のまま働いていてもヒットは生まれない。だから、会社として現状で考え得る限りの環境は用意しました」と語るほどの自慢の本社だったようだ。
「すでに入札を実施して、カナダの不動産ファンドのベントール・グリーンオークが優先交渉権を獲得したそうですが、エイベックスは売却後も本社を移転せずにそのまま賃借する”リースバック”する予定ではないか。保有不動産を現金化することで業績不振に対応するようですが、この本社ビルの売却は金融機関が主導と東洋経済は報じており、業界内外からは担保化が可能な一番大きい資産から手をつけるのは愚策ではないかという声も挙がっています」(経済誌記者)
コロナ渦におけるリモートワークの推進を受けて、ビル売却や本社の移転をすすめる企業は増加しているが今回の売却はあくまでも業績不振を受けてのものだという見方が多い。
前述した希望退職者の募集に関しても、この本社ビルの売却による動きがあったとエイベックスの社員は語る。
「5日に希望退職制度による募集を公表しましたが、本社ビルの売却は事前に社内でも話が流れていて、すでに売却が決まった時点でエイベックスを退社する意向のスタッフは多かった。その人たちは松浦政権時代の40歳以上の社員で、すでに退社したスタッフもいます。希望退職制度の対象者である”音楽事業の一部と間接部門に在籍する40歳以上の正社員”はグループ内に443名いますが一部の社員を残してほとんどを切りたいと思っているのが実情のようです」
エイベックスは切り詰められるところはとことん切り詰める方策に出たようにも見えるが、同社社員によると「松浦勝人会長を含む役員報酬など、まだまだアンタッチャブルな部分が多い」と上層部の痛みは伴っていない様子だ。
2021年3月期第2四半期の最終利益は32億8900万円の赤字を発表したエイベックスだが、メインバンクなどからの短期借入金である100億円や本社ビルの売却による現金化によって当座をしのぐつもりの模様だ。
しかし、主要産業である音楽事業では安室奈美恵や浜崎あゆみ級のアーティスト、アニメ事業でも「おそ松さん」クラスのヒット作といったいくつか生まれない限りは一発逆転とはいかないだろう。
はたして、90年代のようにチャートを独占する栄光の日々はエイベックスに訪れるのだろうか。松浦会長の手腕の発揮しがいのある状況と言えそうだ。
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