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『家、ついて行ってイイですか?』日暮里で駄菓子屋を営む独身男性の後悔「いつもここで子どもたちを待ってるんです」

【静岡・浜松】両親の離婚を機に抱いた夢。青春を犠牲にして手に入れた一軒家

 静岡県浜松市にあるテーマパークで、スタッフは男児2人(7歳と6歳)連れのファミリーに声を掛けた。この一家の子どもたちが異常な可愛さなのだ。

「え! ついてきてくれんの? イェーイ!」(長男)

 ご両親は共に31歳で、小中学校の頃の同級生らしい。2人の実家はアパートで、隣室だったそうだ。

 ファミリーのご自宅に到着すると、そこは立派な一軒家だった。広いし、お洒落。いいお家なのだ。土地と建物合わせ、要した金額は3400万円。お父さん、頑張った! ちなみに、彼は18~30歳まで新聞配達に従事していたらしい。朝夕刊の配達と集金と勧誘に精を出した。そして、この家を買う前はあえて狭いアパートを借りて生活をしていたという。

父 「僕、絶対一戸建てが欲しかったんで、わざと狭いアパートを借りたんです」
母 「(早く)出たくなるようにね」
父 「そう。狭いアパートに住んで『子どもの部屋欲しい』ってなったら、出ざるを得ない状態にわざとして」

 なぜ、そうまでして家を買いたかったのだろう?

「実家が家を買えなかったんですよ。で、同級生のお家とか遊びに行って、当たり前のように一戸建てがあって。『○○んち遊びに行こうぜ』って言えなかったんです、自分の中で。ずーっとアパート暮らしだったので、僕んちだけど家じゃなくて僕のアパートみたいな」

「お母さんが『家建てたい』で、親父は『どっちでもいいんじゃない』って感じでうまくいかなくなったまんま、それを引きずって結局は離婚することになって……。それをすごい寂しく思って、だからもう絶対家は欲しかったです」(男性)

 台風の日だろうが何だろうが、辛くても家を買うために配達を続けた。彼の頑張りは青春を犠牲にするほどのものだったようだ。

「夜中出て、朝寝て。勤続年数2~3年くらいだとローン組めないんですよ。長い勤続年数が(必要になる)。それを目指して、どんなことがあっても辞めなかったね、仕事はね」

「18歳から(配達を)始めたので、友だちと全然関われなくなっちゃって、1番若い、1番青春の時期を潰したって言ったらアレなんですけど。それが今に実を結んでるって思えばなんてことないんですよ。とにかく、家が欲しかった。根性で」(男性)

 このロケのMVPは2人の子どもたちだ。父が新聞配達の苦労を語るとすかさず拍手をし、かと思えばスタッフに「ここの席でいい?」と質問してきた。

スタッフ 「え?」
長男   「え? 食べてかないの?」
スタッフ 「いいんですか?」
長男   「どうぞ、どうぞ。だって、せっかく連れてきたんだもん」
次男   「どこ座りたい?」

 オムライスを振る舞った母には「ママの料理は一回もまずくないよ」と感謝の気持ちを伝え、夕飯を共にしたスタッフには「食べてくれてありがと」と、お礼をする。絵に描いたようないい子たちだ。スタッフが長男に“家の1番好きな場所”を聞くと、彼はこう返答してくれた。

「やっぱリビングかな。みんな揃うからね。リビングが好きだな」

 男性の両親は、家を持つかどうかで意見が合わず、離婚した。それで寂しい思いをしたからこそ、絶対に家を持ちたいと心に誓ったのだ。結果、青春と引き換えに素敵な家庭を持つことができた。奥さんも以前より今のほうが美しくなっているし、若いご夫婦なのにしつけをちゃんとしているのも伝わってくる。間違いなく素敵な一家だ。

 今回のVTR、決してドラマティックなロケじゃないはずなのに、素直に感動できた。このファミリーの数年後の姿、いつかまた見てみたい。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/11/11 14:00
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