『この恋あたためますか』が森七菜の評価を歪めている? アンチ大量発生の訳
#中村倫也 #森七菜 #この恋あたためますか #火曜ドラマ
嫌われているのは、“誰”だろうか?
森七菜主演の『この恋あたためますか』(TBS系)の視聴率が落ち続けている。巷では、その原因についてさまざまな意見が飛び交う。「恋あたの主人公嫌い。森七菜は好きだけど」いう意見もあれば、「天真爛漫な性格が魅力。アンチには分からない」と反論する声も。また、「女子は森七菜が嫌い。男子はかわいいって言う」など、性別によってウケが違うという見方もされている。
嫌われているとしたら、それは森演じる樹木という役柄か、それとも森自身か。この答えは、きっと両方だろう。それは森に限った話ではなく、どんな役者も作品も、万人に好かれるなんてことはありえないからだ。
特に、森は若くして才能を見出されたスターだ。ラブストーリーの主演を務められるだけのビジュアルは備えているが、番宣などでは、安定感のある女優の風貌というよりは、まだ幼さのあるふるまいが印象に残った。その幼さを、素直にかわいいと捉えることもできるが、テレビ越しに見る彼女のふるまいのどこまでが本物なのか疑ってしまえば、かわいらしい“演技”をしている、あざとい女性なのでは?という疑念も生まれる。真偽のほどは分かるはずもないが、いずれにしても大勢の目にさらされる女優に気苦労は尽きないことだろう。
若さ、かわいらしい顔立ち、才能。これだけの条件が揃えば、アンチが多くても不思議ではない。そしてここに、『恋あた』の樹木という役柄が追い打ちをかけている。
樹木は口がいいとは言えず、基本的に態度が大きい。また、社長の浅羽(中村倫也)や仕事仲間の新谷(仲野太賀)との距離が異常に近いところは、正直「よく言えば天真爛漫」というレベルであり、それが悪い意味で森の若さ、幼さとリンクしている。それにもかかわらず、浅羽は樹木の才能を見込んでいるし、新谷は樹木に恋心を抱いている。樹木自身の努力というより、周囲のフォローがすごすぎる。異性へのあざとさに近い甘えや、あまりにチヤホヤされたシンデレラストーリーというのも、アンチを刺激する要因になっているだろう。
今回のドラマは終われば、すぐに次の役どころにハマっていくのが女優だが、森が樹木のイメージに引っ張られているとすれば、彼女はこの先どう評価されていくか。キャリアを積み上げていけば、森本来の正しいイメージが定着し、正当に評価されていくのかもしれないが、それまでには時間も努力も必要だ。
例えば、フリーアナウンサーでタレントの田中みな実も、かつては女ウケしないあざといキャラで売っていたが、いまは飾らない性格と仕事や美に対するストイックな一面が広く知られて、同年代の女性から絶大な支持を受けている。森と田中では女優とタレントという違いがあり、同じ土俵で語ることはできない。しかし、現時点で森の「本当のところ」が一般の視聴者に見えてこない部分は、弱点のひとつであるような気がする。人は、どこかつくられた印象を受けてしまう相手に心を許すことは難しい。はっきりとした欠点がなくても、うっすらと生まれた疑念はじわじわと広がり、いつの間にか根を下ろす。
女優として、名だたる監督から評価されている森。撮影前のインタビューなどを読み込んでみれば、樹木のように尊大な態度は当然見られず、若い彼女なりに仕事へ向き合っているように感じる。そんな姿がメディアを通してもっとお茶の間へ浸透すれば、森が役柄のイメージに引っ張られることなく輝ける日がくるのかもしれない。
■番組情報
火曜ドラマ『この恋あたためますか』
TBS系/毎週火曜日22時~
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史 ほか
脚本:神森万里江、青塚美穂
演出:岡本伸吾、坪井敏雄大内舞子
プロデュース:中井芳彦、黎 景怡
音楽:木村秀彬
主題歌:SEKAI NO OWARI 「silent」
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/
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