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放送作家が人気動画を分析「YouTubeには手を出すな」6

錦戸亮・赤西仁・佐藤健がぶち壊したテレビの価値観 テレビはもうキャスティングでYouTubeに勝てない!?

テレビはもうキャスティングでYouTubeに勝てない!? 錦戸亮・赤西仁・佐藤健がぶち壊したテレビの価値観の画像1
「NO GOOD TV」より

 芸能人のYouTubeが当たり前になった2020年秋。「YouTubeはもうレッドオーシャン」なんて声も聞かれるほど、多くの芸能人が参入しました。その中でも、異彩を放つチャンネルがあります。元関ジャニ∞の錦戸亮さん、元KAT-TUNの赤西仁さんのチャンネル『NO GOOD TV』です。

 ジャニーズ事務所から独立し、テレビではめっきり見かけなくなった2人の姿が拝めるこのチャンネル。登録者数は71万人(11月9日現在)と強烈な数字ではないんですが、再生回数は100万超えを連発しています。いったいなぜなのか? その答えはズバリ「キャスティング」です。

 これまで出てきた芸能人の名前を挙げてみましょう。山田孝之、小栗旬、佐藤健、ロンブー淳、宮川大輔、藤森慎吾、水川あさみ、藤原しおり……。これ、オールスター感謝祭じゃないです。YouTubeですよ? もはやこんなメンバーの映画があってもおかしくないですよね(てゆーかヒットしそう)。

 この豪華メンバーでやっていることは、人狼やワードウルフといったトーク型のゲーム。テレビに比べたら凝った企画ではありません。お金も全然かかってません。きらびやかなセットもありません。それぞれの自宅をビデオ通話でつなぐリモートスタイルですから。なのに400万再生を超える動画もあります。

 その秘密は「だって、友達だから」の一言に尽きます。

 当人同士は、テレビ番組に出るような意識ではありません。高校生が同級生の生配信にノリで出る、そんな意識の方が近い。だからトークもテレビに出るときのタレントモードではありません。教室の隅っこで人狼ゲームをするテンションに近い。とにもかくにも超自然。しかも、リモートとはいえお部屋を公開するサービスっぷり。このクラスの芸能人にテレビで部屋を公開してもらうのにいったいいくらかかるのか…。それが「友達だから」という理由だけで突破できてしまうのです。

 テレビから考えると異次元と言えるキャスティングですが、YouTubeでは出演者本人同士の関係値だけで成立させてしまいます。「コラボ」と言われるパターンが一般的で、チャンネルを持つ者同士がお互いのチャンネルに出演することで、お互いのファンに自分のチャンネルを露出することができるため、登録者を増やせるのが大きなメリットです。条件も本人同士の取り決めによるところが大きく、ギャランティー0円という場合もよくあります。NO GOOD TVは佐藤健のチャンネルとコラボしてきました。

 しかし、いくら友達といっても0円で出るのは芸能人としてどうなんでしょうか? そんな疑問は愚問。「むしろ得」、というのがいまどきの考え方です。テレビの文化では全く考えられないことですが、決定的に違うのはテレビが第3者のメディアであるのに対し、YouTubeが個人メディアであるということ。YouTubeの場合は、お互いの登録者が増えてチャンネルの価値が向上します。それは、本人の価値向上とほぼ同義。フォロワーはお金で買えるものではありませんから、むしろ得なのです。

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