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森七菜『この恋あたためますか』ヒロインなのに応援されないのは「垢抜けないから」!?

この恋あたためますか』公式サイトより

 森七菜主演のドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)の第3話が11月3日に放送された。恋愛ドラマではそろそろヒロインの恋心が盛り上がりを見せたり、進みそうで進まない2人の関係に視聴者がやきもきしたりする頃合いでは、と思われるが、このドラマ、なぜだか一向にヒロインに感情移入されず、彼女の恋が応援されないという現象が起こっている。

 ドラマはコンビニチェーン社長の浅羽拓実(中村倫也)と、コンビニアルバイト店員だった井上樹木(森七菜)のラブストーリー。第2話で商品化を巡ったシュークリーム対決に敗れたものの奮闘を評価され浅羽によってスイーツ課に採用された樹木。第3話ではライバルだった北川里保(石橋静河)とともに、満場一致で採用された里保のシュークリームの配送テストを行う。里保の優しさと大人な対応のおかげで、2人は仲の良い同僚として笑い合うように。

 しかし、配送テストを期日までにクリアできず、結局、一度は勝負に敗れた樹木のシュークリームが商品化されることに。そして初日から絶好調の売り上げを記録する。気遣う周囲に明るく気丈に振る舞う里保。前回、里保と過去に恋仲だったことが明らかになった浅羽は、第3話のラスト、1人暗い社内に残る里保に「里保、笑わなくていい。無理して笑うな」と声をかける。その言葉に感情が溢れた里保は「本当は悔しかった」と泣き、浅羽の胸に顔を埋める。優しく肩をだき、頭を撫でる浅羽。そんな場面を、商品化された自分のシュークリームを浅羽に届けにきた樹木が目撃してしまう、という展開だった。

 樹木にしろ里保にしろ、落ち込んでいる人のところにしっかりと現れ優しくフォローする浅羽は紛れもなく、ヒーローだ。SNS上にも第3話ラスト1分の衝撃に「里保呼びからの無理しなくていいハグ撫で撫ではあかーーん!!」「里保さんをハグする浅羽社長がめっちゃ優しくて甘くて、こっちまで泣きそう」「心臓はちきれました」などと悶絶する声が溢れた。

 ツンデレ社長の浅羽が視聴者の心を鷲掴みにするのは仕方がないとして、悔しいと泣く里保も、今まで笑顔で頑張っていただけに、胸にくるものがあった。だが、このラストのシーン、ほのかな恋心を抱き始めていた樹木がそんな2人を目撃してしまう、ヒロインの切ないシーンでもある。それなのに、視聴者の心は、浅羽と里保の2人に持っていかれっぱなしである。それはもう、第3話まで進んでいるのにヒロインに対して視聴者の感情移入が進んでいないからなのではないだろうか。

 第2話では、樹木に恋心を抱くもすれ違ってしまい切なすぎる新谷誠(仲野太賀)に、第3話では浅羽と里保に、視聴者の共感が集まった。一方、樹木の恋心はまだ始まったばかりからかもしれないが、テンポが遅く、視聴者から頑張れと応援する声は聞こえてきにくい状況だ。それどころか、ネット上では「年齢差もありすぎるし、社長と樹木が最後結ばれるのは違和感ある。里保と結ばれてほしい」「樹木は新谷くんと結ばれてほしい」などといった声も。

 本来なら最も応援されるはずのヒロインがこれほどに脇役なのは、脚本の狙いなのかもしれないが、ヒロインを演じる森にも原因があるのかもしれない。というのも第3話で、樹木は浅羽から就職祝いと称し、高級ショップへ連れて行かれ、高そうな服を大量にプレゼントされた。まるで女性なら誰もが憧れるだろう映画『プリティウーマン』のようなシーンだ。さぞかし垢抜けた大人の女性に変身するだろうと思いきや、翌日もそれほど印象が変わらずに、視聴者からは「え、変わってない」との声が多く上がっていた。どこか地味で垢抜けないヒロイン。テンポが遅く視聴者から飽きられないよう、これからどんどん垢抜けて応援したくなるようなヒロインになっていってほしい。

■番組情報
火曜ドラマ『この恋あたためますか』
TBS系/毎週火曜日22時~
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史 ほか
脚本:神森万里江、青塚美穂
演出:岡本伸吾、坪井敏雄大内舞子
プロデュース:中井芳彦、黎 景怡
音楽:木村秀彬
主題歌:SEKAI NO OWARI 「silent」
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/

早乙女りこ(ライター)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ

最終更新:2020/11/10 08:00
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