異論!暴論! Kダブシャインが語るトランプ論Part 4「アメリカ大統領選挙2020」
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トランプはファイター
――時には発言に勢いがついて、誤解されることも多々ある、と。
Kダブ 今は特にパワハラやセクハラ、LGBT問題、ネットの時代になってキャンセルカルチャー(SNSにおける過去の発言や行動を掘り起こし、前後の文脈や背景を無視して糾弾する現象)が地獄に落ちろとばかりに、社会的制裁を加える時代だよね。ポリティカル・コレクトネスが進めば進むほど、言論の自由は奪われるし、自分で考える思考も停止してしまう。社会的弱者を守るために、強者を憎む。今はもう男、女じゃない、全員が同じ人間なんだと言う。社会の自由化は、進めば進むほど金持ちと権力者の自由だけが拡大するようになり、一般市民の自由が制約されるようになる。そんな世の中になってしまっていいのか? という状況下で出てきたのがドナルド・トランプなんだよね
あらゆる方面からの妨害にも屈せず戦っているし、申し訳なさがまったくない姿勢からは、むしろ正直で潔ささえ感じる。大統領に就任してから評価されるべき点、称えられるべき点がいくつもあるのに、メディアはそれを公正に伝えようとしない。新型コロナウイルスの陽性になって、誰もが大統領選前にトランプは不利な立場になった、と思った。
それがたった3日で復帰するなんて、もう「ファイター」としかいいようがない。74歳という年齢であのエネルギーと、あれだけ頭の回転が速く、機転も利く。1日2~3回の演説もエンターテインメントのようにこなす。弁論でも口げんかには絶対負けないし、間違った報道にはいちいち細かく反論もする。たいしたじいさんだと思うよ。
日本語訳つき pic.twitter.com/h4Rtxy4qrS
— Kダブシャイン ? (@kingkottakromac) October 19, 2020
――自身のアーティスト活動と照らし合わせて、共感する点も多いと。
Kダブ 少なからずはあるかもね。自分も日本のためと思ってヒップホップをやってきた自負はあるから。でも、(トランプを支持していることに対して)ツイッターなんかではさ、「Kダブに裏切られた」だ「Kダブ終わった。ガッカリだ」「Kダブは狂った」とかさ、言いたい放題のリプライとメンションが飛んでくる。それって世間で嫌われている人間の味方になったらよくない、っていうのは魔女狩りと同じで、同調圧力に無自覚に屈してる証拠だよね。だったらイメージではなく、トランプを支持できない具体的な政策の理由と、バイデンを支持する明確な理由を提示してほしいよ。(ラッパーの)アイス・Tが「トランプくらいギャングスタじゃないと、プーチンや金正恩みたいな連中とは渡り合えない」って言ってたけど、すごく納得できる。ナズやジェイ・Zとか、今回の選挙に関して無言を貫いてるラッパーも多いけど、もしかしたら無言=支持なんじゃないかなとすら思えてくる。彼らは株やビジネス投資もしてるからさ。50セントはストレートすぎて笑えたけどね。
だから、もちろん日本だけじゃなく、アメリカ本国でもフェイクニュースに多くの人が目隠しされてる状態になっていることに、俺は相当な危機感を覚えるんだ。権力者たちが機械的に支配できるアメリカや世界を望むグローバリストの思惑に対して、トランプの「もう一度、アメリカという国を建て直す」という意志はまったく好意的に報道されず、一方的に冷血で自己中心に見せた人間性しか画面に映らない。
現にトランプが実現した政策についても“ファーストステップアクト”で特赦として釈放された元服役者たちや、福祉や医療を優先的に受けられるようになった退役軍人たち、地元に工場が戻ってきて景気がよくなった労働者のいる地域など、感謝の意を表明している人もかなり多いし、現時点でも黒人、ヒスパニックに向けて、雇用の増える対策を作っている。もちろん、それ以外にも世界を股にかける資本家、既得権益から自由な世界を守ろうと日々、戦い続けていることが、アメリカ人以外のわれわれにも関係が深いからね。とにかく必要のない戦争で、軍人を死なせないと約束してるところに、日本にとっても大きな意味がある。
さっきトランプのことを「ファイター」と言ったけど、本来アメリカはスポーツをはじめ、戦うことが好きな国。そうした背景からも、しっかり事実を事実として伝えることができていれば、トランプはもっと愛されるべき人物なんだけどね。
Kダブシャイン
1968年、東京都生まれ。95年にキングギドラとしてデビュー。97年にソロ作『現在時刻』を発表。政治批判や社会問題などを積極的に取り上げ、唯一無二のMCとして知られている。
Twitter〈@kingkottakromac〉Instagram〈@kw5hine〉
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