日曜夜の千鳥という文脈、芸人たちをかき混ぜていく第7世代の潮流
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EXIT・りんたろー。「仲良くしろよ!」
『テレビ千鳥』の直前、日曜日の22時台に放送されているのが『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』だ。
この番組の特徴は、今が旬の第7世代の芸人たちと、旬を過ぎた芸人たちが同時に出ている点にある。爆笑問題と同時代に若手として人気を博した、ボキャブラ世代とも呼ばれる芸人たちも定期的に登場する。
25日の企画は、今年の『キングオブコント』(TBS系)で3位に輝くなど勢いのある若手コント師、空気階段の悩みに芸人たちが答えるというもの。悩みの相談相手として登場したのは、ボキャブラ世代のBOOMERとプリンプリンだ。彼らは、収録中に嫌なことがあると逃げ出してしまいそうになるという水川かたまりの悩みに、収録中であろうとベンチプレスをやれと言ったり、ギャンブルで多額の借金を抱えている鈴木もぐらに、予想はするけどお金を賭けない「エアー競馬」をしろと言ったり、助言として大きくハズしたものではないけれど、それだけにバラエティ番組的には少しズレたアドバイスを繰り返す。
さらに取り上げられていたのが、BOOMERの河田キイチとプリンプリンの田中章の間のトラブルだ。爆笑問題が所属する事務所、タイタンのライブに出演予定だった両組。しかし、事前の告知でプリンプリンの名前が消えていたらしい。おそらく運営側のミスと思われるこの一件。だが、田中は河田が勝手に自分たちの出演を阻止したとなぜか思い込んでいるという。
憤る田中。爆笑問題をはじめ周囲がこれをなだめる。しかし、当人は勘違いを頑として認めようとしない。互いに意固地になり歩み寄りを見せないこの「いい大人同士のトラブル」に、第7世代のEXIT・りんたろー。が場をひっくり返すように叫ぶ。
「仲良くしろよ!」
ムーブメントとしての第7世代は、芸人の若返りを引き起こしたと言われる。けれど同時に、旬を過ぎたと思われる芸人たちにスポットライトが当たる現象も起こっている。6.5世代などと呼ばれる芸人たちもそうだ。『シンパイ賞』のボキャブラ芸人への再注目は、そういった現象の最たるものだろう。鍋のご飯をかき混ぜて、底にこびりついたおコゲの香ばしさを楽しんでいる状態。
芸人たちをかき混ぜていく第7世代の潮流。2020年にもなって、芸歴30年近いボキャブラ芸人の「いい大人同士のトラブル」がテレビで話題になるなんて、このムーブメントは奥が深い。時間の経過とともに一種の哀愁というかわびさびを帯びた先行世代を、“面白いもの”として改めて解釈し直す文脈を、用意していると言えるかもしれない。
だからもしかすると、そのうち用意されるのかもしれない。「バラエティで『詫びろ』と叫ぶ市川猿之助」というモノマネが面白くなる文脈も。
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