沖縄電子少女彩が語る「アイドルとミュージシャン」の狭間と非常階段ら大物バンドとのコラボ

アイドルでもノイズミュージシャンでもどっちでもいい

――これまでも彩さんは京都のインダストリアルアーティスト、AXさんとコラボしたアルバム『Chastity』（2019年）やVtuber、ミソシタさんとのコラボ「Sleepless Night」（2019年）、「キング・オブ・ノイズ」こと非常階段との合体ユニットである“彩階段”名義のアルバム『沖縄階段～彩の夢は夜ひらく～』（2020年）といった作品もリリースしています。そんな彩さんは今、アイドルなんですか？

ミソシタ×沖縄電子少女彩「Sleepless Night」MV

彩階段「怨み節」MV

彩　そのへんはあまり意識していないというか、私は自分のことをアイドルだとかミュージシャンだとか自称しているわけではなくて。例えばアイドルの現場に行くと「ノイズやクラブシーンの人だよね？」と言われるし、アヴァンギャルドやクラブ、ノイズの現場に行くと「アイドルだよね？」と言われたりするんですけど、私としてはどっちでもいいんですよ。基本的に私は私の好きなことをやっているだけなので、それを観たり聴いたりしてくださった方々の判断にお任せしていますし、私の音楽をみなさんが楽しんでくださればなんでもいいんです。

――では最後に、今後のご予定などは？

彩　来年1月末に、中野ブロードウェイの公式テーマソング『愛のメロディー～ブロードウェイ～』を発表する予定です。もともと4月に発表予定だったのが、やはりコロナの影響で延期になっていたんですけど。

――ブロードウェイのテーマって、どんなことを歌っているんですか？

彩　私もブロードウェイは好きでちょくちょく行くんですけど、トラックはサブカル的というか、シンプルでわかりやすいレトロな香りがするエレクトロポップですね。歌詞は、曲名にもあるように「愛」をテーマにしています。ブロードウェイには海外からもいろんな人たちが来るわけで、なぜ来るのかといえば、みなさんブロードウェイが好きだからですよね。なので、この曲を通して愛の大事さというものを訴えたいなと。

――彩さんの音楽も、海外の方にウケそうですよね。

彩　私も、もっと海外の方にも自分の音楽を聴いてほしいと思っていますし、今までもインドネシアとイタリアなどのレーベルからも作品をリリースしています。これからは海外での本格的な活動も計画中です。私のボイストレーニングの先生が「安室奈美恵 with SUPER MONKEY’S」の元メンバーの新垣寿子さんなんですけど、新垣さんも「海外でやったほうがいい」とおっしゃってくださって。

――へええ。

彩　実はBandcampで音源を買ってくださるのも外国の方が多いですし、公式YouTubeチャンネルも外国の方がたくさん見てくださっていて。あるとき、ブラジルのジャーナリストの方がPodcastで私のことを話してくださったみたいで、そこからブラジルの方からのアクセスやフォローが一気に増えたこともありました。あと、日本のサブカルチャー要素の強いアイドルの音源を扱う「IDOL UNDERWORLD」という海外の通販サイトがあるんですけど、そこの売上がかなり良くて海外のファンの方から写真集を作ってほしいとの声が上がり海外向け写真集を制作したんですよ。日本のアイドル現場の物販ではあまり売れないのに、海外の通販ではよく売れているという現象がちょっと寂しくもあるんですけど（笑）。

プロフィール
彩Saya（沖縄電子少女彩）

沖縄県出身2000年8月生まれの20歳。
現在東京を中心に活動中。沖縄音楽を基礎にポップス、ダンスミュージック、民族音楽、アンビエント、ノイズ、テクノなど幅広い楽曲を制作。2020年現在3枚のアルバムと2枚のコラボアルバムをリリース。音楽配信番組「DOMMUNE」での沖縄電子少女彩5時間スペシャルの配信や日本が世界に誇るノイズバンド非常階段とのバンド「彩階段」での活動、サブカルチャーの聖地「中野ブロードウェイ」公式テーマソング制作、全国17都市へのツアーなど10代から活発に活動中。
海外でも評価が高く、インドネシアやヨーロッパのレーベルから作品リリースがされている。今年はアジアでの活動開始と共に3月にはアジアツアー(韓国、北京、成都、武漢、上海、広州、マカオ、香港、台北)とヨーロッパツアーを予定していたが新型コロナウイルス感染拡大により中止となる。(韓国ツアーのみ延期)

公式Twitter：https://twitter.com/Tincy_saya
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