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サイゾー創刊編集長が作詞提供

沖縄電子少女彩が語る「アイドルとミュージシャン」の狭間と非常階段ら大物バンドとのコラボ

こばへんが作詞した「Dancing in the distance」

 

――コロナ禍において、彩さんは7月にソーシャルディスタンスをテーマにした「Dancing in the distance」という曲をリリースしました。この曲の作詞は、WIRED JAPANやギズモード・ジャパン、そして雑誌「サイゾー」を立ち上げた「こばへん」こと小林弘人さんですが、どこでこばへんさんと繋がったんですか?

「Dancing in the distance」MV

彩 実は、マネジャーさんが昔、小林さんの下で働いていたらしくて、そのご縁で。もともと小林さんサイドで“ソーシャルディスタンス音頭”みたいな、盆踊り的なダンスミュージックを企画していたそうなんですが、それが思うように進まなかったらしく「僕が詞を書くから、曲を作ったらどうか」と話が進み。完成した曲はあんまり音頭という感じではないんですけど(笑)。

――そのこばへんさんの歌詞を、どう解釈しました?

彩 やっぱり、人と距離を取らないといけないというルールというかマナーって、みんな初めて経験すると思うんですよ。だから戸惑いも当然あるし、会いたい人に会えなかったり、私も「ライブができない!」って動揺したりしたんですけど、そんな中でどういうふうにコミュニケーションをとればいいのかとか、そういうことを考えながら作りました。で、結果的に2パターン用意したというか、後半の間奏で琉球音楽っぽいメロディーが入っているのと入っていないのを作ったんですけど、どっちがいいか迷ってしまって。小林さんに「どっちがいいですか?」とお聞きしたら、琉球っぽいほうが採用されました。

――その琉球っぽさが彩さんの個性でしょうし、浮遊感のあるアブストラクトなトラックにも合っていると思います。

彩 よかった(笑)。

――先ほど「ライブができない」とおっしゃいましたが、やはりコロナの影響は深刻ですよね。

彩 はい。今年の3月に中国(北京、成都、武漢、上海、広州、マカオ)、香港、台湾、韓国を回るアジアツアーと、夏にドイツのジャズミュージシャンとニューヨークのテクノユニットと一緒にドイツを皮切りにヨーロッパツアーを予定していたんですけど、韓国は延期、それ以外は中止になってしまって。少しでも売上を稼ぐために、毎週CD-Rを作って通販で売ったりしていましたね。ほとんど自宅と事務所を往復する日々で、曲を作る時間はたっぷりあったので。

――彩さんは7月以降、自身のBandcampにハイペースで音源をアップしていますが、それらがCD-Rに入っていた曲?

沖縄電子少女彩Bandcamp
https://okinawa-electric-girl-saya.bandcamp.com/music

彩 そうです。まだ上げてない曲もいっぱいあるんですよ。

――その中に「ARAWARIN」という、ミニマル民謡とでも呼べそうな曲がありますが、曲名は方言か何かですか?

彩 はい。「あらわりん」という沖縄の方言で、「現れる」という意味です。でも、歌詞では「ヤナムンあらわりん」とか「マジムンあらわりん」とか、標準語にすると「悪霊が現れるよ」と歌っているんですけど、特に深い意味はなくて。沖縄の、耳馴染みのない発音を楽しんでほしいと思ってちょっとふざけて作った曲です。

――それ以外の楽曲も、ダークアンビエントありインダストリアルありエレクトロポップありと、実に多彩ですね。

彩 自粛期間中にたくさんのミュージシャンとコラボして曲を作ったりもしたんですけど、それが刺激になったのかもしれません。ツイッターで「誰かコラボしてくださる方はいませんか?」と呼びかけて、米ロサンゼル在住のばねとりこさんや東京のねずみHEADさん、福岡のぺぺタス・アンドロニカスさん、左手さん、Yuki Hataさんといった電子音楽系の作家さんたちとご一緒して、私としてもすごく楽しかったし、勉強にもなりました。

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