2020年ドラフト変則スケジュールが及ぼす弊害「獲っただけクビ」の非情な現実
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一番ドキドキしていたのは、指名を待つ選手や家族よりも、すでにプロ野球選手になる夢を叶えた男たちだったかもしれない。
2020年のプロ野球は、新型コロナウイルス騒動による変則スケジュール。例年ならシーズン終了後に行われるドラフト会議が、シーズン途中に行われた。26日に行われたドラフト会議では、支配下指名74名、育成49名の合計123名が指名されたが、その陰には冷酷な現実が存在する。
「プロ野球の各球団には70名の保有枠があり、ほぼ全チームが上限まで選手を抱えています。近年はドラフトで指名された選手はほぼ全員プロ入りするので、支配下指名が74名いたということは、それだけクビになるということ。自ら現役を退く選手はごくごく一部ですから、単純計算で各チーム6~7人はクビになる計算です」
一般企業なら定年がある上、社員数にも上限はないが、プロ野球は定年がない代わりに人数の上限があり、しかも毎年、定員の1割程度の新人が入ってくる。しかも今年のドラフトは、とりわけ残酷な状況だった。
「例年なら、ドラフト前にクビになる選手はある程度決まっており、大雑把に言えば『空いた分だけ補充する』という流れですが、今年はまだ各チームとも戦力外通告は行っておらず、藤川球児(阪神)、五十嵐亮太(ヤクルト)、岩隈久志(巨人)など、実績のあるベテランが引退発表しただけ。ということは、今年は『取りたいだけ取って、その分をクビにする』という流れになります。
今年のドラフトでは、一番少なかったチームで5人、一番多かった阪神はドラフト8位まで指名しましたから、クビの当落線上の選手は『早く(指名が)終われ!』と、祈りながらドラフト会議を眺めていたはず。ただ、これから頑張ればクビが繋がる可能性もあるわけで、目の色が変わった選手が繰り広げるサバイバルレースも、残り試合の見どころです」(スポーツライター)
プロ野球チームは毎年1割、5年もたてば半分ほどが入れ替わる、何とも“ブラック”な環境とも言えるが、完全実力主義の世界ではそれが当たり前。光があれば陰があるのも、ファンを魅了する一因なのかもしれない。
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