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岡村隆史結婚! 『チコちゃん』のタイムリー&絶妙すぎる質問「愛妻家な大人ってだーれ?」

岡村隆史にはタイムリーすぎる質問!? 「妻がいちばん大事です」

 2問目の回答者を決めるべく、チコちゃんはスタジオの3人に問いかけた。

「この中で一番愛妻家な大人って、だーれ?」

 さすがチコちゃん、かなりタイムリーな質問だが、岡村は収録時にはまだ結婚を公表していなかったし、須田は女性である。ここで指名されるのは大竹しかいないだろう。

「妻がいちばん大事です」(大竹)

 今、大竹は「妻」と言ったが、他にも「女房」「カミさん」「嫁」など、様々な呼び方がある。この日2つ目のテーマは「妻・女房・嫁……なんで呼び方がいっぱいあるの?」という疑問だった。

大竹    「人を見て『カミさん』って言ってみたり『嫁さん』って言ってみたり、色んな言い方を知らないうちに、僕なんかは人生の経験の豊かさが使い分けさせてる」
チコちゃん 「なるほど。いっぱい呼び方があるのは、人生が豊かだから?」
大竹    「まぁ、そう言われちゃうと、ちょっと困るけどなぁ(照笑)」
チコちゃん 「ボーっと生きてんじゃねーよ!」

 確かに、「嫁」はオタクが二次元のキャラクターに使いがちだし、「ワイフ」だとアメリカンジョークの小咄みたいに聴こえてしまう。それらを我々は無意識に使い分けている感もあるが……。さらに、番組は芸能界屈指の愛妻家・佐々木健介の元を訪ねていた。健介は北斗晶のことを「女房」と呼ぶことが多いようだ。そんな彼に「なんで呼び方がいっぱいある?」と質問すると「地方によって違う」という回答が返ってきたが、これも不正解である。チコちゃんが発表した答えは「正しいのは妻だけ」だった。

 実は、日本で一番古い呼び方は「妻」で、日本最古の歴史書『古事記』にも妻という言葉は載っているらしい。さらに、役所等で配られる公的な文書や六法全書ではパートナーのことを妻と記載しているのだ。だから、やっぱり「妻」が正しい。では、妻以外の呼び名は一体どういう意味なのだろう? 

・嫁
嫁という言葉が出てきたのは鎌倉時代の書物『名語記(みょうごき)』で、そこには自分の息子の妻を指す言葉と書かれてある。元々、嫁という言葉の由来は「息子のもとに嫁いできた良い娘」→「良い女(よいめ)」で、それが「嫁(よめ)」になったと考えられるのだ。だから、嫁という言葉を使うのは基本的に夫の親である。

 これらを踏まえると、加山雄三『お嫁においで』や新沼謙治の『嫁に来ないか』といった名曲の意味がガラッと変わってしまうな……。二次元のキャラクターを指して「俺の嫁」とよく言うけども、これも意味がまるでわからない。あと、「嫁」という言葉は特に関西の芸人が多用している印象がある。

・女房
 平安時代に現れた言葉。当時、身分の高い貴族は妻以外に食事や身の回りの世話をする人、使用人の女性を屋敷に住まわせていた。使用人の女性を女(にょ)、住んでいる部屋のことを房(ぼう)と呼んでおり、そこから女房(にょうぼう)という呼び方ができたのだ。つまり、本来の「女房」は使用人の女性を意味する言葉だった。そう考えると、パートナーから「女房」と言われた女性は相手を張り倒してもいいかもしれない。そういえば、健介は北斗のことを女房と呼んでいたな……。

――女房というのは、どうやら「使用人の女性」という意味になっちゃうそうです。
健介 「えっ、使用人の女性!? えっ、なんで? やばい……」
北斗 「ちょっと来い! あっちこっちに紹介するとき、女房って言ってただろうよ」
健介 「いいと思ってたから……」

 あと、『ゲゲゲの女房』(NHK)ってドラマもあったっけ。言葉の起源を遡ると、このタイトルも意味合いが全く違って聴こえてしまう。

・奥さん
 奥さんという言葉のルーツは奥方という言葉で、その由来は室町時代にまで遡る。当時、身分が高い屋敷の主はパートナーの女性を屋敷の奥のほうに住まわせ、周囲の人間、使用人の人たちはその女性のことを敬意を込めて「奥方(おくがた)」と呼んでいた。その後、奥方が「奥様」「奥さん」という呼び方に変化していったのだ。つまり、奥さんは使用人が呼ぶ言葉なので、自分のパートナーの呼び方としては適していない。

・カミさん
 元々は自分より目上の人を表す「上様(かみさま)」という言葉が変化してできた言葉。なので、パートナーと対等な関係を築いていく現代社会には適当ではない。ただ、「うちのカミさんがね」が口癖だった刑事コロンボにとって、パートナーの女性は見るからに目上の存在だったからOKだろう。

・家内
 家内は家の内と書き、文字通り「家の中にいる人」という意味がある。明治時代になると男性は家の外で働くようになり、女性は専業主婦として家を守る形が出てきた。これに伴い、パートナーのことを家内と呼ぶケースが増えていったのだ。でも、今は多くの女性が働きに出る時代だ。女性は家の中にいるのが当たり前と決めつけるのはいかがなものかとなってしまう。それに、「家内は働きに出ているんですが~」なんて言おうものなら、日本語として矛盾しまくりだ。でも、コロナ禍においてはほとんどの人が家内だったよな……。

 それにしても、なぜこんなに色々な呼び方が広まったのだろう? わかりやすいのは、以下のケースだ。息子である自分に母がいて、自分のパートナーに母が「わ~、良い嫁が来てくれたわね」と言っているうちに、自分も「うちの嫁が」と人に紹介するようになった。そして、それが広まった。置かれた立場や状況で分けて使っていたはずの言葉が間違った使い方で浸透し、たくさんの呼び方ができたというわけだ。子どもが「ママ」と呼ぶから、パパまで「ママ」と呼び始めたのと同じ構造だろう。

 ただ、このテーマには言いたいことがある。呼び方がたくさんある理由を問う問題なのに、「正しいのは妻だけ」では答えになっていない。クエスチョンとアンサーが繋がっていないのだ。1番大事な、たくさんの呼び方がある理由の解説のくだりはすごく短かったし……。

 あと、「夫」「主人」「旦那」「亭主」など色々な呼び方がある男性側についても知りたい。いつか、そっちのほうも掘り下げてほしい。岡村は妻から、どう呼ばれているのだろうか? ちなみに、同性婚だと相手の呼び方はどうなる? やはり、「パートナー」だろうか。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/10/23 18:00
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