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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > M-1審査員はロジカルに進化するか

新番組『さまぁ~ず論』は肩透かし…やっぱりKOC審査員には向いてない!? お笑い「ロジカル分析」の必要性

『アメトーーク』『ゴッドタン』で浸透した“お笑いを真面目に語る”面白さ

新番組『さまぁ~ず論』は肩透かし…やっぱりKOC審査員には向いてない!? お笑い「ロジカル分析」の必要性の画像2
『アメトーーク』公式サイトより

ユージ それでいうと、M-1は採点に異論は出ても審査コメントへの批判は少ないように思うんですよね。上沼恵美子さんはともかく、ある程度みんな理屈で語ろうとするじゃないですか。

タカ でも今年はもう一歩進んだものが求められる気がしますよ。この1年で『アメトーーク』(テレビ朝日/7月30日放送「芸人大好き 芸人」等)とか『ゴッドタン』(テレビ東京/「お笑いを存分に語れるBAR」シリーズ等)で、「お笑いを真面目に語る」文化が広まりつつあるから、M-1もよりロジカルな審査が期待されるんじゃないかな。審査員がどんなことを言うのか、観る側がどう反応するのか、すごく気になる。

ユージ 2017年のM-1後に、審査員だった博多華丸・大吉の大吉さんが『たまむすび』(TBSラジオ)のラジオクラウド配信で、自分の審査について詳しく解説していたのはすごく面白かったです。「審査員のこういう時間が大事だと思う。『僕はこういうことでこういう点数にしました』とか、『最後にこれを選びました』とか明確にする機会がないから」と言っていて、審査している側にもそこを大会内で語りきれない不満があるんだなと。

タカ ナイツの塙(宣之)さんも最近『やすとものいたって真剣です』(朝日放送)で、M-1の審査について語ってました。例えば、見取り図に対して、手の動きについて言及するのは本人も気にするからしたくないけれど、審査も番組を盛り上げる役目だから、言いたくない分析もするっていう話をしていて。ただ、本人たちも島田紳助のアドバイスでよくなった経験もあるそうだし、昨今の分析が悪くないという空気を見ても、今後は、わりと率直に指摘することも、さほど悪いことではなくなるのではないかと。

ユージ なお、大吉さんは吉本から「ああいうことを勝手にやってもらったら困る」と怒られたそうです。翌年審査員を降りたときにラジオで話してました。

タカ そうか、怒られたんですね。吉本側からしたら、そういう分析をするのは野暮だって思ってたのかも。

ユージ いや~、吉本はそこまで深く考えてないのでは……単に放送局の機嫌を損ねる心配をしただけという気がしますけど(笑)。

タカ あぁ、確かに。でも「けしからん」ってわざわざ言うってことは、番組外で批評的なことをしゃべるのが面白いとかコンテンツとして有益だとは思ってなかったってことですよね。

ユージ 建設的なことであっても、関係者や誰かから批判として捉えられる余地をつくりたくないという思考は事務所側にあったかもしれないですね。結局、ABCからは感謝されたとも大吉さんは話してましたが。

タカ そうそう、そういうのもあって、真面目に語るのもアリなんだって事務所側もわかっていったんじゃないですかね。「Don’t think, Feel.」じゃなくなっていってる。

ユージ お笑いに関して「ごちゃごちゃ難しいこと考えないでただ笑えたらそれでいいんだ」みたいな風潮はまだまだ根強いですけど、理屈が求められるようになり、芸人側からも提示されるようになっていってるのは面白い動きですよね。

タカ 「ゴチャゴチャ言わんと誰が一番おもろいんか決めたらええんや」って「ダイナマイト関西」のコンセプトじゃないですか! それもお笑いの歴史のひとつだし、中身は理屈というかロジカルな世界でしたけど、そう考えると芸人のほうが、昔と同じじゃいられないってちゃんとわかってる。対してテレビの制作側がまだ追いついてないところがあるから、芸人や演者の力に頼り切ってスカスカのものが生まれちゃうんだな……と『イグナッツ!!』を観ていてあらためて思いました。

ユージ Creepy NutsとEXITへの同情が深い(笑)。

タカ&ユージ(お笑いウォッチャーコンビ)

お笑いウォッチャー。タカの好きな番組『有田ジェネレーション』(TBS系)、ユージの好きな番組『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)。

たかあんどゆーじ

最終更新:2023/02/22 11:50
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