新番組『さまぁ~ず論』は肩透かし…やっぱりKOC審査員には向いてない!? お笑い「ロジカル分析」の必要性
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お笑いブームがいよいよ極まってきている。ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!
テレビ朝日の新枠「バラバラ大作戦」は玉石混淆か
ユージ この秋の改編で、テレビ朝日の深夜帯が大きく変わりました。「バラバラ大作戦」という枠名で、月曜日~木曜日の深夜1時56分~2時56分で20分番組を3本、金曜深夜は2時20分~3時で2本という大型バラエティ枠が誕生。発表によれば「企画、プロデュースを手がけるのは、20~30代の若手プロデューサー・ディレクターで、彼らの自由な発想と情熱で“誰も経験したことのない時代”に響く、新たな笑いを生み出していく」とのことです。初週一通り観てみて、どうですか?
タカ 企画は多いけど揉みきれてない感じはしましたね。最初だからそんなものかもしれませんが……。なんていうか「もうちょっと完成させてから出してきたら」って。特にCreepy Nuts×EXITの『イグナッツ!!』はそう感じました。
ユージ 全体に「急ぎすぎ」感がありますよね。さらば青春の光・森田×ダ・ヴィンチ・恐山の『会心の1ゲー』なんかは新鮮な組み合わせに明確な企画で面白かったんですが、『イグナッツ!!』は本当に、演者に丸投げした感じが漂ってて。
タカ 「面白い4人だからなんとかなるでしょ」って。ぶん投げるにも程があるだろうって戸惑いを4人からも感じました。
ユージ Creepy Nutsは番組放送前に、自分たちのラジオで「波長が合う」「隣の高校にすげぇ仲のいい奴が出来たみたいな感じ」とEXITのことを評してたんですよね。だから結構期待してたんですけど、肩透かしでした。セットをシンプルに、SE(音響効果)も少なく……っていう深夜らしいチープさの演出も裏目に出てる気がします。
タカ ラジオみたいにシンプルにしゃべる『あちこちオードリー』(テレビ東京)が人気があるから、そういう感じでやりたかったのかなとも思うんですけどね。
ユージ あ、それでいうと僕は同じ「バラバラ大作戦」枠の『さまぁ~ず論』のほうにその空気を感じました。
タカ そっちもありましたね。「論」って銘打って、初回ゲストのホリケン(ネプチューン・堀内健)がネタ作りについて真面目に語るのかと思わせて、全然そんなことなかった。
ユージ コントを作るときに「変な喫茶店に変な人がいたら来た客は普通帰る。帰れないための設定を考えないといけない」っていう話をし始めたときは深い話になりそうで期待したんですけど、結局『ボキャブラ』時代の思い出話がほとんどでした。ボキャブラ世代は集まるとすぐ若い頃の話をする……!
タカ やっぱりああいう話で番組を成立させるのは誰にでもできるわけじゃないし、そういう企画が合う人と合わない人がいるんですよね。「論」を語るのに慣れてなさすぎるのかもしれない。照れがあったり、真面目に分析すること自体を軽んじていたり。実際、10月20日の放送で大竹が「これも最初は論じてくださいって言ったら、論じろって言われちゃったらなんかなあ。論じることなんかなんもないし」と冗談めかして言ってましたね。
ユージ それこそさまぁ~ずが真面目に語るタイプじゃないからこその切り口なんでしょうけど、本当に「論」がやりたかったんなら企画の段階でもっと周到に準備しないと。進行が平成ノブシコブシ吉村(崇)、初回ゲストがホリケンは絶対「論」に向いてない(笑)。いや、吉村はちゃんと場があればこういう内容もやれる芸人だと思いますけど。
タカ もっとお笑いマニアな芸人じゃないと無理ですよね。今もめちゃくちゃ若手のネタ見てるくりぃむしちゅー有田(哲平)とか、有吉(弘行)とか。そういう人連れてこいよ! って思っちゃいました。有田なんて、知らない若手がいないんじゃないかってくらい把握してるでしょう。
ユージ そこの信頼度は相当高いですね。でも逆に、語るイメージがないからこそさまぁ~ずがここでコントやネタをきっちり語ってくれたら、「だからキングオブコント審査員なんだな」って納得させられたと思うんですよ。今の若い視聴者にとって、多分さまぁ~ずってネタの人じゃなくてバラエティの人じゃないですか。そこのイメージを変えて審査員としての信頼も高められるチャンスだったのでは……と、キングオブコントの直後に始まった番組だけに思ってしまいました。
タカ そうそう、『さまぁ~ず論』見て、今年のKOC審査の様子思い出して「やっぱり……」ってなりました。「面白いなー」でコメントが終わっちゃうぼんやりした審査はもう通用しなくなってると思うんですよね。例えば関西の賞レースだと芸人じゃないタレントが審査員で出てちょこっとコメントする文化がずっとあって、それで良かった時代もあったけど、今年はかまいたち山内(健司)やダイアン・ユースケがABCお笑いグランプリの審査員を務めて好評でした。ロジカルに審査してくれる人が求められてるんだと思います。東京勢だと、アンガールズ田中(卓志)も信頼がありますよね。
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