『この恋あたためますか』森七菜、番宣でのウケはイマイチ!? 一方で注目が集まるのは…

　10月20日にいよいよ第1話の放送を迎える、森七菜の主演ドラマ『この恋あたためますか』（TBS系）。

　主演の森は、2019年に菅田将暉が主演の連続ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』（日本テレビ系）で生徒役を、新海誠監督の劇場版アニメ『天気の子』でヒロイン役を務めて一躍注目を浴びた新進気鋭の若手女優だ。現在放送中のNHK連続テレビ小説『エール』にはヒロインの妹役で出演しており、老若男女、広い世代に顔を知られはじめている。連続ドラマへの主演は、今回が初めてだ。

　放送を前に、森をはじめとした出演者は番組宣伝のためさまざまなメディアに引っ張りだこ。しかし、バラエティ番組などへの露出が増えている森を見て不安に思ったことがある。SNSなど、ネット上での森への反応がイマイチ振るわず、お相手役の中村倫也にばかり注目が集まっているような気がするのだ。

 『恋あた』の番宣後、ネットでは「倫也くんすっかりシャチョサンでした。かっこいい、おもしろい、優しい♡ たくさんの倫也くんが見れました」「イケボ♡ こんなん聴いたら立ってらんないわ」「気遣いが素敵な人」「座談会の中村倫也さんが中村倫也節全開ですw」といった声が続出。中村人気に森がやや押され気味のようだ。

　ドラマで中村は、森が演じる主人公・井上樹木がアルバイトするコンビニエンスストア「ココエブリィ」の社長・浅羽拓実を演じている。中村といえば、正統派イケメンから変わり者まで、幅広い役柄を演じ分けられる実力の持ち主。バラエティ番組でのトークやキャラ付けも上手く、演技以外でも人を惹きつける魅力がある。

　中村がビジュアルからトーク、周囲との関わりなど幅広く評価されているのに対して、森への評価はほとんどが「かわいい」という見た目だけのもの。森は、まだ若く芸歴も浅い。園子温や岩井俊二などの著名な映画監督に才能を見出され、数々のオーディションに勝ち抜いてきている実力や肝の座り方は見事だが、バラエティなどでの立ち回りには慣れていないのだろう。「かわいい」以外の魅力が、あまり伝わってこないのだ。19歳という微妙な年齢も難しい。芸能界では幼さを武器にできる年齢でもないし、かといって、一般的な精神年齢を考えたら大人にもなりきれていない年頃だ。

　もちろん得手不得手はあるだろうし、主演の森にすべてを託す必要もない。ドラマは総合芸術なので、番宣を含めて、全体で優れた作品を作り上げたらいいのだ。だが、そうなるといよいよ演技力で視聴者を魅せなければという森の責任は増してくる。幸いにも撮影は和気あいあいと順調に進んでいるようなので、思う存分実力を発揮してくれると期待したい。

 『恋あた』チームとしてだけでなく、主演女優としてどんな成果が出せるのか、森自身、今後の活躍の鍵にもなってくるだろう。

■番組情報
火曜ドラマ『この恋あたためますか？』
TBS系／毎週火曜日22時～
出演：森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史 ほか
脚本：神森万里江、青塚美穂
演出：岡本伸吾、坪井敏雄大内舞子
プロデュース：中井芳彦、黎 景怡
音楽：木村秀彬
主題歌：SEKAI NO OWARI 「silent」
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/

早乙女りこ（ライター）

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ