実写版『極主夫道』原作の大幅改変に大ブーイング! マンガファンは最初から相手にしていない?
人気マンガを実写ドラマ化する場合、原作からの改変点に対する批判が起きるケースが多いが、日本テレビ系で放送中のドラマ『極主夫道』(毎週日曜22時30分)についても同様だ。
『極主夫道』(おおのこうすけ著/新潮社)は、マンガサイト「くらげパンチ」で連載されている作品。専業主夫となった元ヤクザを主人公としたコメディで、ドラマ化にあたっては主人公の龍を玉木宏が、その妻・美久を川口春奈が演じている。原作では龍と妻の美久の間に子どもはおらず、2人でボロアパートに住んでいるという設定だが、ドラマ版では娘がいて一軒家に住んでいるという設定に変わっている。その点について、原作のファンから猛反発が起きているのだ。
また、アニメ版で龍の声を担当した津田健次郎が登場する「実写PV」という動画が存在しており、原作やアニメ版のファンたちの間で高い支持を得ている。そのせいもあってか、玉木宏版の実写ドラマに対しては「これじゃない」という声も多くなってしまったようだ。
「主人公の家族構成を変えるというのは、かなり大胆な改変。特に子どもがいない設定の夫婦をいる設定に変えてしまったことに反発の声が出ている。ドラマのプロデューサーはこの改変について『一層パワーアップした家族のやりとりを楽しんでいただければ』と語っていたけど、子どもがいなくとも“家族のやりとり”は描けるはずだし、そりゃあ叩かれても仕方ないですよ。もはや、ドラマ制作サイドは原作ファンを相手にしていないのではないかとすら思います」(テレビ局関係者)
制作サイドの狙い通りなのか、原作を知らない視聴者は決して悪い反応でもないという。
「全編にわたってコネメディですし、基本的には1話完結に近い形で見られるのでとっつきやすいのは確か。原作ファンの反発がなければヒットする可能性もあると思います。悲しいかな、原作ファンとドラマファンとの綱引きのような形になりそうです」(同)
原作との変更点が叩かれる『極主夫道』の一方で、オリジナル版と脚本がほぼ同じであることが批判的に見られているのが、テレビ朝日系『24 JAPAN』だ。こちらは、2001年にアメリカで制作された『24 -TWENTY FOUR-』シーズン1と物語のプロットがほぼ同じなのだ。
「もちろん日本が舞台になっていて、20年の月日がたっているので、多少の設定変更はあります。しかし、物語の展開などはほとんど同じ。それはそれでオリジナル版に対するリスペクトがあるからこそなんですが、日本が舞台になると無理がある部分も多く、セリフの言い回しなども“吹き替え”みたいになっている。なんとなくコントっぽい雰囲気もあるし、オリジナルに近づけすぎるのもどうなのかと言われています」(映画ライター)
この2作品を見ても実写化やリメイクにおいて、原作・オジリナル版との距離感というのはもっとも重要で、もっとも難しい要素であることがわかる。
「『24 JAPAN』のほうは、本家を制作したFOXの意向もあって、オリジナル版をトレースしたものになっているようなので、これはもう仕方ない話。でも、『極主夫道』については、原作を軽視しているように見えてしまうのは事実です。ネットで叩かれるのはわかりきっているのに、“改悪”した実写版を作ってしまうというのは、テレビ界がいかに世の中の空気を読めていないかということですよね……」(同)
実写ドラマにおける“原作つぶし”は、今後もまだまだ繰り返されてしまいそうだ。
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