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菅首相、消費増税はまったなし!? 安倍元首相と“同じ轍を踏む”方針に疑問

菅首相、消費増税はまったなし!? 安倍元首相と同じ轍を踏む方針に疑問の画像1
(写真/「GettyImages」より)

 もはや、新型コロナウイルス禍のあとの“大増税の到来”が、避けられない状況になってきた。

 政府は2020年度予算の第3次補正予算の編成に取り掛かり、21年度予算は過去最大を更新する見込みだ。これを後押しするように、新たな内閣官房参与も任命された。

 20年度予算は当初予算の102.7兆円に加え、2度の補正予算編成により、総額は160.3兆円に膨らんでいる。新規国債の発行により賄われる財源は90.2兆円で、このうち赤字国債の発行額は71.4兆円にものぼる(表参照)。

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 補正予算分の新規国債発行額だけでも57.6兆円とリーマン・ショック後の09年度の経済対策による国債発行額52兆円を大きく上回った。公債依存度(一般会計歳出額のうち、国債発行が財源となっている割合)は56.3%(うち赤字国債の割合は44.5%)に跳ね上がり、国の経費の半分以上を国債という“借金”で賄っている。

 これだけでも、十分に将来の増税要因になり得る。その上、菅義偉首相は追加経済対策のための第3次補正予算の編成を行う方針だ。その予算規模は明らかになっていないが、新規国債(そのほとんどは赤字国債)の発行額が一段と増加するのは間違いない。

 さらに、9月30日にまとまった21年度予算概算要求の総額は、一般会計で105.4兆円となった。前述のように20年度の当初予算額102.7兆円を上回っている。その上、この概算要求額には、新型コロナウイルス対策費などの“いくら必要か不明”のため金額の要求を行わない「事項要求」は含まれていない。事項要求を含めれば、予算総額は2020年度当初予算をはるかに超えるものとなる可能性が高い。

 国債発行残高の増加で、財務省は20年度当初予算の23.4兆円を2兆円上回る25.4兆円の国債費(国債の償還と利払いを行うための経費)を要求している。これは予算総額105.4兆円の約24%を占め、これだけの巨額が借金返済(国債費)に充てられることになる。
 
 これだけの借金を重ねれば、いずれ新型コロナ禍が収まれば、その返済のための増税が行われるのは必至だろう。もちろん、景気が急速に回復して、予想を上回る法人税収が得られる環境になれば、個人への増税は軽くて済むであろうが、現状を見ればその予想はあまりにも楽観的に過ぎよう。

 その上、10月13日に任命された内閣官房参与6名のうち、「経済・財政政策」担当の高橋洋一・嘉悦大教授と「経済・金融」担当の熊谷亮丸・大和総研チーフエコノミストの任命は、「財政の拡大」と「増税」を後押しすることになりそうだ。

 すぐに思い出されるのは、財務官僚退官後に東洋大学教授に就任したものの、銭湯で脱衣所のロッカーから現金や腕時計など約30万円分を盗み、警視庁練馬警察署に窃盗容疑で書類送検され、同大学を懲戒解雇となったことだろう。

 高橋氏の内閣官房参与任命に対して、ネット上では、「窃盗犯を内閣の重要ポストに就任させた」などの書き込みが多数行われているが、注目すべきは経済政策に対する考え方だ。

 高橋氏は、安倍晋三前首相が日銀総裁に黒田東彦氏を迎え、「アベノミクス」として進めた「リフレーション政策」の提唱者の1人。リフレーション政策は大規模な金融緩和や機動的な財政出動により、緩慢なインフレを継続させることにより、経済の安定成長を図ることができるとするマクロ経済学の理論。高橋氏は「リフレ派」学者と言われている。安倍前首相に近く、「安倍応援団」の1人でもあり、積極的な財政出動を強く唱えている。例えば、次のように述べている。

「ある意味で、国債の大半は“返済されない”といっても言い過ぎではない。今でも、借換債を発行して、借り換えが行われているのが事実だ。制度上は、日銀が保有している国債すべてについて、日銀引受による借り換えが可能だ。つまり、日銀保有国債については、償還しなくてもいいわけだ。日銀に払った(国債の)利払いは納付金ですぐに政府に帰ってくる」

 つまり、日銀に買い入れさせれば、国債は無制限に発行できる。従って、国債をいくら発行しても日本の財政は痛まないし、財政破綻などしないということだ。これだけ見ても、高橋氏に“財政規律”や“財政の健全化”という概念がないことがわかる。すでに、リフレ政策は“失敗”だったことが明らかになっている。

 また、直近の菅首相が日本学術会議の新会員候補者6人の任命を拒否した問題では、日本学術会議側を批判している。

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